ハニワの旅は成田空港から

先週から、金曜の業後に移動して土曜にプチ旅行をする流れを始めた。休日が割り増しになるようでなかなかいい。
今回の目的地は、成田の芝山町にある はにわ博物館。せっかく成田方面に行くので、前泊は空港近くのマロウドインタナショナルホテル。少し高いが、ビュッフェと空港が見える立地に惹かれて決めた。
当日は定時で仕事を切り上げ、そのまま品川から成田エクスプレスへ。空港は時間的にどこも閉店間際だったが、空港内をうろうろするだけでも妙に楽しい。浮き足立つ旅立つ人たちをよそ目に隠密活動をしているような背徳感がある。


ホテルまでは空港からシャトルバスで移動し、着くなりコンビニでビールとおつまみを確保。周りには日本人はほとんどおらず、海外にいるような新鮮さがあった。
部屋に入ったら、ひとりしんみり乾杯。飛行機には乗らない。観光もしない。それでも、金曜の夜に成田のホテルにいるだけで、もう旅は始まっていた。
朝ビュッフェと芝山までの長い道


翌朝は、楽しみにしていた朝食ビュッフェへ。
運よく窓際の席が取れたので、遠くに成田空港を眺めながら朝を楽しんだ。残念ながら、飛行機の離発着は見えなかったが、単に食欲に目が眩んでいただけかもしれない。



朝食を終えたら、いよいよ目的地の芝山町立はにわ博物館へ向かう。まずは第2ターミナルへ移動し、そこからローカルバスに乗車。
最寄りの風和里しばやま駅で降りると、目の前には道の駅があった。ここから徒歩30分と考えると気が滅入るが、埴輪が駅前にあるわけもないので致し方なし。
道なりにしばらく歩くと、景色はどんどん緑豊かになっていった。人に会うこともほとんどなく、晴れわたる太陽の下、のどかな道を歩くのは森林浴のようで気持ちいがいい。つまり、正解は徒歩。
果たして異形のハニワはユダヤ人なのか?


30分ほど歩いて、芝山公園に着いた。博物館はその公園のはずれにひっそりとあり、当然のように人の気配はない。
恐る恐る中に入ると受付があり、入場料は200円だった。古代ロマンはお財布に優しい。ただし、館内には自分以外にひとりしかいなかった。



博物館は広くはないが、展示はかなり濃い。近くで見つかったであろう埴輪が、これでもかというほど並んでいる。
そして今回のお目当てが、ユダヤ人に似ていると言われる武人の埴輪 だった。とんがり帽子、あごひげ、高い鼻。たしかに、一般的にイメージする古代日本人の姿とはかなり違って見える。
この埴輪は、いわゆる 日ユ同祖論 の文脈で語られることがある。日ユ同祖論とは、日本人と古代イスラエル人に何らかのつながりがあるのではないか、という陰謀論的な説だ。
実際、この手の話には不思議な引力がある。キルギスには日本人と兄弟だという伝承がある とも言われるし、飛鳥時代には 弓月という西方の国からユダヤ人かもしれない人々が日本に来ている。
もちろん、これらが物証になるわけではないし、ユダヤ人が日本人の祖先だとまで言うのは飛躍が大きい。ただ、古代の日本に大陸や西方の文化が流れ込み、神道や日本文化に影響を与えた可能性は十分あるのではないか。
ハニワカステラと鰻で締めるハニワ旅行




帰りは、偉い人の邸宅やら天台宗の寺院やらに寄り道しながら、のんびりバス停へ戻った。
バス停に着いたものの、バスまでは30分以上ある。そこで目の前の道の駅で一服することにした。コーヒーと一緒にノリで頼んだハニワカステラがかわいい。
正直、このあたりを回るなら車が必須だが、車があれば逆にハニワカステラを食べることもなかっただろうし、森林用のような体験もできなかった。そう考えると、不便な旅というのもやはり悪くはない。

バスに揺られて成田空港へ戻ると、もう午後1時前だった。せっかく成田まで来たので、ランチは川豊といううなぎ屋へ。
うなぎは味付けが濃いめで、そこに文句はなかった。ただ、身がやや崩れやすく、その点は減点。空港で採算をとるのは厳しいのかと邪推してしまった。
食後は空港でウィンドウショッピングをして、スカイライナーで帰宅。飛行機には乗らないのに、空港をしっかり満喫できた。
結果、今回も週末プチ旅行は大成功。考古学への興味も衰える気配がないし、気候候的にもベストな5月は、もう少し出歩きたい。