戦争博物館:駆け足で巡った戦争の記憶





午後の最初の目的地は 戦争博物館(The War Memorial Of Korea)。その名の通り、古代から現代に至る韓国の戦争史を網羅する巨大な博物館だ。展示は壮大なスケールで、戦車や戦闘機、兵士たちの遺品などがずらりと並ぶ。
しかし、スケジュールの都合で、ほぼ駆け足での見学になってしまった。あまりにも情報量が多く、じっくり見るにはとても1回では足りない。次は時間をたっぷり取って再訪したい場所だ。
改めて思うのは、韓国の現代史は、戦争と切っても切り離せない ということ。第二次世界大戦、朝鮮戦争、そしてベトナム戦争。韓国は常に激動の時代を生き抜いてきたのだ。
リウム美術館にみる、伝統と現代アートの交差点





戦争博物館を後にし、東にある リウム美術館(Leeum, Samsung Museum of Art)へ向かった。ここはサムスン文化財団が運営する美術館で、展示は大きく二つに分かれている。
- 伝統エリア(陶磁器などの古美術)
- 現代アートエリア
まず訪れた伝統エリアは、正直、芸術鑑賞能力の低い僕たちにはハードルが高すぎた。 陶磁器や書画の美しさをじっくり味わう感性が足りず、なんとなくすごそうと思うのみ。
しかし、その一方で、展示スペースにつながる螺旋階段や、出口に設置された階段のインスタレーションは素晴らしかった。作品を見るというよりも、作品の中にいる感覚。やはり、アートは体感できるものが面白い。
フィリップ・パレーノ展:「分からない」もアートのうち?




リウム美術館の現代アートエリアでは、フィリップ・パレーノ(Philippe Parreno)の個展が開催されていた。
会場に足を踏み入れると、まず耳に飛び込んでくるのは 奇妙なノイズとピアノ音。そして、視界にはカラフルな魚の風船が漂い、うごめいている。
──なんだこれは?
意味を考えようとしても、まったく手がかりがつかめないまま2階へ。そこでは 不気味な女性のアニメーション が、韓国語で何かをつぶやいていた。
その声に合わせて、背後のライトが点滅している。おそらく、音と光で何かを表現しているのだろう。そして、その「何か」が、まったく分からない。
「分からなくても感じる」インスタレーションの魅力


次に地下へ向かうと、そこには壁一面に並んだ蛍光灯が強烈な光を放つ異空間が広がっていた。そして、ふと天井を見上げると、無数の透明な風船がフジツボのように密集している。
これが何を表現しているのか、またしてもまったく分からない。しかし、そんなことはどうでもいいのかもしれない。「理解する」ことよりも、この異様な空間に身を委ねることそのものが、すでに新鮮で面白いのだから。
絵画や彫刻なら、最悪デジタルデータでも楽しめるが、こういう空間自体が作品となるインスタレーションは その場でしか味わうことができない。
美術館の出口に佇む、謎の物体

リウム美術館を出ようとすると、出口に謎の物体が鎮座していた。これは土から栄養を吸収して動いているのか、それとも逆に土に栄養を与えているのか…。
じっと見つめていると、宇宙人と交信するための機器にも見えてくるし、地底に埋まっている巨大な機械の先端にも見える。
しかし、どれだけ考えても、まったく食指が動かない。一方、友人は大興奮で写真を撮りまくっていた。やはり人の好みは十人十色。
(続く)