先週末は台湾南部の高雄で過ごそうと金曜夜の便で移動。香港から台湾は1時間半程度で行けるし、何よりチケット代が安い(燃油込みで13,000円)。せっかく香港に長く滞在しているのだから地の利を活かしたいし、香港に友達がいないのだから旅で孤独を紛らわせたい。
高雄国際空港へはあっという間に到着した。体感的に気温はほとんど香港と変わらない。日付が変わった頃に高雄車駅に着き、スーツケースを引いて外に出た。薄暗い駅前には客待ちのタクシーがたむろしていて、僕の歩みに合わせて知らない言葉を発していた。辺りに漂う下水の臭いとバイクの群れに、僕は台北とは違うものを感じ始めていた。
地図を見るとホテルは駅の反対側の目の前。しかし、どこを探しても線路を越える道が見当たらない。仕方ないので踏切が見つかるまで線路と並行に歩くことに決めた。バイクと車の喧騒の中、スーツケースの車輪が舗装の甘い地面に擦れる音がよく響く。10分ほど歩いてようやく右折できる通りを発見した。が、進むうちにどんどん灯りが消えていき、気が付けば誰もいない路地裏に迷い込んでいた。
恐怖を振り払うように、僕は速足で静まり返った路地裏を歩いた。そして、しばらくすると大通りに出ることができた。道路の標識はホテル前の通りの名前と一致している。ほっと一息ついて、クラクションを鳴らすタクシーを無視しながら駅方面へ戻った。思えば絶望的な遠回り。ようやくホテルを見つけると、安堵とともにそこが正に駅の目の前という立地にぶつけどころのない怒りがこみ上げてきた。2日間お世話になるのは京城大飯店というホテル。部屋は古めかしいが、清潔に保たれているので不快感はない。とりあえず僕はベッドに飛び込んでひとりトランポリンをした。
そのまま寝るのは癪なので、近くのローカルコンビニで買い出し。店内にはAKBのような日本語のアイドルソングが流れていた。さすがは親日国。たまたま台湾バージョンのLay’sを見つけたので、謎のエナジードリンク「大丈夫」と一緒に購入した。深夜の寝る前に炭水化物の大量摂取はご法度だが、これが旅のテンション。