ドイツ&北ヨーロッパ / Germany & North Europe Part.3-2 (博物館&ベルリンの壁) 

通り [by iPhone]
通り [by iPhone]
ドイツ歴史博物館 [by iPhone]

夕方の移動を意識して、午後は近場のドイツ歴史博物館に行くことにした。この界隈は博物館や美術館が密集していて、街の雰囲気もトラディショナルで格調高い。そんな中にあってドイツ歴史博物館は入口が螺旋構造のガラス張りで、周囲と調和しつつも異彩を放っていた。


博物館内部 [by iPhone]
展示 [by iPhone]
Too Late [by iPhone]

ところが、期待を膨らませてチケットを買おうとしたら常設展は改装中だった。ここまで来て帰るのも癪なので「Roads not Taken」という特別展だけでも観ることにした。この展示はドイツ帝国成立前からベルリンの壁崩壊までの歴史の転換点を紹介して、歴史のIFを探るというコンセプト。しかし、特別展ゆえのボリューム不足は否めず、時間の無駄だった。展示にあったとおり、まさに「Too Late!」。


信号 [by iPhone]
ベルリンの壁 [by iPhone]
ベルリンの壁 [by iPhone]
ベルリンの壁 [by iPhone]

ベルリンの締めはやはりベルリンの壁。ネットで調べたらベルリン北部にベルリンの壁記念碑なるものがあるらしい。電車で移動して最寄りのベルナウアー・シュトラッセ駅 [Bernauer Strasse] で降りると、早速グラフィティまみれのベルリンの壁が見えた。解説や写真も充実していて、ベルリンの壁の変遷がよくわかる。

駅前のベルナウアー通り沿いにはベルリンの壁の遺構が点在していたので、散歩がてらいくつか見てまわった。展示の中には、目の前の西ベルリンに逃げようとアパートから飛び降りて亡くなった女性のエピソードなどもあり胸が詰まる。事実、東ベルリンからの脱走者は東ベルリン側から100名以上射殺されており、この3m程度の壁を乗り越えることは人生を賭けることだった。更に言えば、殺されなかったとしても別離を耐え忍んだ市民の数は数知れず。そう思うとこの無機質な壁がどす黒い権力の権化にみえてくる。


マーケット [by iPhone]

ベルリンの壁を見終えてベルリン中央駅に戻ろうと思ったら、向かいの通りにローカルなマーケットが見えた。せっかくなのでここで寒々しながらコーヒーを飲んで一服。老若男女、多種多様な人々の顔を眺めながら、「ベルリンの壁に人生を狂わされた人が何人いるだろう」としばし思いに耽った。


ベルリン中央駅 [by iPhone]

海外旅行で最もストレスを感じる時は、電車やバスでの移動に尽きる。ルールも地理も分からないという悪条件に加えて、往々にして時間通りに着かない。そして、今回次の目的地であるツェレ [Celle] への移動でこれが起きてしまった。ツェレに行くにはハノーファー [Hannover] で乗り換えが必要なのだが、ハノーファー行きの電車が30分以上遅れていていて乗り換えに間に合わない。更に最悪なのが、ツェレのような地方都市はチェックインが早く、夜10時のチェックインに間に合わない可能性がでてきてしまった

舌打ちすること1,000回、インフォメーションセンターに聞いても埒が明かないし、心を鎮めるために駅中でアジアご飯を食べた。そして、食べながらハンブルクの先輩にメールをしてみたら、僕のチケットなら「ハノーファーから出るどのツェレ行きの電車にも乗れる」と神の声が届いた。なお、神の声によるとドイツの電車は人員不足で遅延が頻発しているらしい。残業させるくらいならサービスレベルを下げるという選択はある意味潔い。


ベルリン中央駅 [by iPhone]

すっかり日が落ちただだっ広いプラットホームでハノーファー行きの電車を待っていると、どんどん人が増えてきた。電車の遅延は予定通り30分で済み、無事に乗ることができた。しかし、車内の仕組みが分からず、自分が自由席に座れているのか判断できない。挙動不審気味に周囲を気にしていると、隣の男性も同じ状況で、お互いのチケットを確認し合って根拠のない安心を得た。


ハノーファー中央駅 [by iPhone]
ハノーファー中央駅 [by iPhone]
車内 [by iPhone]

2時間後、ハノーファーに着いた。ここは中央駅だけあって広い。9時前にツェレに到着する電車も見つかり一安心。軽食を売る店も多く、念のため今日の夜食か明日の朝食用にチーズプレッツェルを買った。ツェレ行きの電車は割と混んでおり、1階の自転車収納エリアに陣取った。何故か周りには軍人が多く、狭い空間と薄暗い照明の中で気分はまるで囚人。


Hotel Schaper [by iPhone]

ツェレには30分程度で着いた。街は暗すぎる上に雨が降っていて、ツェレがどんな街なのかも分からない。Googleマップを頼りに黙々と住宅街を歩いて、どうにかホテルにたどり着いた。受付の男性は一番遅いであろうゲストを温かく迎えてくれた。これで全ては計画通り。ペンションのようなこのホテルはアットホームで居心地はいい。緊張の糸がすっかりほぐれた僕は、置いてある炭酸水を飲みながらハノーファーで買ったプレッツェルにかぶりついた。

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