ドイツ&北ヨーロッパ / Germany & North Europe Part.3-1 (テロのトポグラフィー)

ベルリン最終日、朝のマクドナルドにて

Gesundbrunnen [by iPhone]
Uバーンの中 [by iPhone]
マクドナルド [by iPhone]

気づけば ベルリン滞在も最終日。ホテルをチェックアウトし、小雨の降る中 ベルリン中央駅 へ向かう。

そして、駅に着いたらまずは パンとコーヒーを求めて マクドナルド へ。

ベルリンのマクドナルドは、日本と違って混雑しておらず、驚くほど快適 だった。広々とした空間で、席の間隔も十分。日本のマクドナルドはどこへ行っても 常に混み合いがち なので、この余裕のある雰囲気には思わずほっとする。

結局のところ、カフェに決めるのは、お洒落さでもコーヒーの味でもないどれだけパーソナルスペースが確保されているか。これこそが、ゆっくり過ごせるかどうかの最大のポイントだと改めて思う。

虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑

虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑 [by iPhone]
虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑 [by iPhone]

この日は夕方にベルリンを離れる予定だったため、近場の観光を選択。まず訪れたのは、ブランデンブルク門の近くにある「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑」

目の前に広がるのは、高さがバラバラの石碑が規則的に並ぶ異様な光景。そのスケールの大きさに圧倒されると同時に、どこか壮観にも感じられる不思議な空間だった。

この記念碑の建設には、ドイツ国内でもかなりの議論があった らしいが、この巨大さを目の当たりにすると、それも納得できる。

石碑の間に足を踏み入れると、瞬く間に壁に囲まれたような状態 になる。

静寂の中でじわじわと広がる圧迫感。しかも、ほとんど人がおらず、衝突を気にせず歩くことができるので、永遠にこの石碑が続くような錯覚に陥る瞬間 があった。

ユダヤ博物館と同じく、ここもまた「ホロコーストを追体験させる」ことを意図した空間なのだろう

テロのトポグラフィーにみるドイツの反省の本気度

通り [by iPhone]
Gropius Bau [by iPhone]
Topographie des Terrors [by iPhone]
Topographie des Terrors [by iPhone]
Topographie des Terrors [by iPhone]

次の目的地は テロのトポグラフィー(Topographie des Terrors)。つまり、ナチス権力の中心地 だったエリア。

先ほどの記念碑から徒歩圏内にあり、ここはかつて ゲシュタポ(秘密国家警察)やSS(親衛隊)の本部があった場所 だ。

展示は 館内と屋外の2カ所 に分かれており、どちらもナチスの歴史を 徹底的に解説 している。当時の 新聞や写真をふんだんに使用している ため、ナチスの盛衰を ドイツの一般市民の目線 で理解できる構成になっていた。

また、屋外の展示はベルリンの壁沿いにあり、ここでは ベルリンの壁の原型 を見ることもできる。

驚かされるのは、圧倒的な情報量の展示を 無料で公開 していること。ここまでの規模で歴史を詳述する姿勢には、ドイツの反省の本気度 を強く感じる。

一方で、ふと考えた。

「このレベルの展示を、日本で実現するのはほぼ不可能なのでは?」

一部では、ドイツの反省は「ナチス=悪」と切り離し、ドイツ全体の責任には踏み込んでいない という批判もある。しかし、それを差し引いても、20世紀最大の人権侵害をここまでオープンに詳述している こと自体は評価に値する。

ドイツほどの徹底度は難しいとしても、日本が第二次世界大戦で何をしたのか を、自虐でもなく否定でもなく、客観的に可視化すること はできないのだろうか。

ポツダム広場にポツダム会談はなかった

ポツダマープラッツ [by iPhone]
信号機 [by iPhone]

テロのトポグラフィーを早々に切り上げて(ここに時間をかけると一日が終わる)、お昼を食べるために ポツダム広場(Potsdamer Platz) まで歩くことにした。

せっかくポツダムと名のつく場所に来るのだから、あの「ポツダム宣言」で有名なポツダム会談の会場 でも見られるかもしれない。そんな期待を抱いていたが、

──これは 大いなる勘違いだった

ポツダム広場はベルリンの中心部にあるが、ポツダム会談が行われた「ポツダム」は、まったく別の場所 だった。

紛らわしい地名をつけるなと文句を言いたくなったが、よく考えると、日本にも「横浜」と「新横浜」が全然違う場所にある という前例があった。

ポツダム広場のクリスマスマーケット

クリスマスマーケット [by iPhone]
クリスマスマーケット [by iPhone]

例えるならポツダム広場は、日本でいう六本木のようなエリア。観光客の外国人が多く、ホテルやオフィスが入った高層ビルが乱立 している。

近くにはショッピングモールもあったが、駅前に クリスマスマーケット を発見したので、ここで軽食を取ることにした。

軽く食べるつもりだったので、まずはホットドッグを注文。しかし、当然ながら これだけで収まるわけがない。ビールが欲しくなり、ビールも注文。最後は、香ばしいワッフルの香りに釣られ、気づけば ワッフルを完食

結果、予定外のフルコースとなり、ここで満腹になってしまった…。

(続く)

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