最近、日銀こと日本銀行の見学ツアーがあることを知った。個人投資家としては、日本のお金の本尊である日本銀行には一度お参りに行っておきたいところ。
兜町に腰を据える日銀の建物は、ヨーロッパ風で威風堂々としていた。受付を済ませると、係員の案内で銀行内を見学できる。若干がっかりだったのは、この場所は見学用で、実際に業務をしている日本銀行は別の建屋だということ。だったら、あんなに入念な入館チェックをしなくてもいいのに・・・。
圧巻なのは地下金庫の扉。分厚い鉄板が何枚も重なっていて、扉というより鉄の塊。核戦争で地球が滅んだとしても壊れなさそう。人間のお金に対する執着の象徴のようにも見える。もうひとつの目玉は紙幣の束。扉の奥に札束の塊がパレットに山積みされていた。菓子折りサイズで大体1億円らしい。初めて見る光景に瞳孔が開いてしまったが、残念ながらレプリカとのこと。結局、僕も欲深い。
善し悪しはともかく、世界は価値を貨幣に換えることで成り立っている。そして、貨幣を基調とする社会は高度にシステム化されていて、それに積極的に順応しないと人生は豊かにならない。そんな現実の一端を改めて知ることができた。若い頃ならこんなシステムに対して反骨精神が芽生えたと思うが、今は違う。つまり、システムに順張り。日銀様、今年いっぱい何卒よろしくお願い申し訳上げます。