やがて日も暮れ、マリーナベイに戻った。幸運にもこの日はシンガポールの建国記念日で、それを祝う花火が見れる。辺りは既に隅田川並みの混雑で、人種や宗教や性別を問わず老若男女が集まって建国を祝う様子には心打たれるものがある。単一民族国家には決して出せない結束と愛国心。
夕食は肉骨茶(バクテー)というシンガポール名物。その名の通り骨付きの豚肉をスープで煮込んだもので、香辛料の効いたあっさりスープとの相性が抜群。ポーク好きの僕としては珠玉の一品。実は現地に住む彼女も初体験だったらしく、お互い初めての味に魅了されてあっという間に平らげてしまった。
長い1日の締めくくりはガーデンズ・バイ・ザ・ベイ。ここは人口の巨大な植物が異彩を放って立ちはだかるファンタジックワールド。気分はさながらスモールライトを浴びたのび太。美しくてどこかうす気味悪くて、他に類を見ない摩訶不思議な観光スポットだった。
ふとマリーナベイ・サンズ(シンガポールを代表する有名ホテル)を振り返ると、天井に赤々とシンガポール国旗が映し出されていた。実はこの後、夜景を見るためにこのホテルの最上階にあるサンズ・スカイパークに行こうと思っていたのだが、体力の限界を迎えたため断念。
これをもってシンガポール満喫ツアーは終了。丸一日付き合ってくれた友人には本当に感謝。時の流れで変わったこと、変わらなかったこと、そして年を重ねたからこそできる再会の形があること知った意義深い1日になった。