台北にしばしの別れを告げ、台中へ南下。移動はもちろん新幹線。台北車駅の天井の高さは毎度衝撃を受ける。空間の壮大な無駄使い。
初の台中に上陸すると、初夏のような心地よい蒸し暑さに包まれた。まずはマックで手早くお昼を済ませて、荷物を置きにホテルへ直行。ここから台湾のウユニ塩湖と呼ばれる高美湿地に行く。
高美湿地へはローカル線で清水駅まで行き、そこからバスに長いこと揺られる。電車でそばに座っていたご年配の女性グループが日本語堪能で、道すがら色々教えてくれた。日本語教育を受けた世代の台湾人だろうか。中心地から離れるとコミュニケーションは難しくなってくるので随分助かった。
バスを降りると吹き飛ばされそうな強風に煽られた。立っているのがやっとの状態。帽子を押さえる手が空かない。写真が撮れない。
高美湿地は干潟の公園で、巨大な風車と鏡のような水面に映りこむ景色が売り。が、それは無風であることが絶対条件。この強風の中でその水面を見るのは絶望的だった。
向かい風に逆らいながら撮影スポットを探した。風車の向い側まで行くと、現実離れしたミニマルな景色が拝める。静寂の風景と止まない風の応酬。こんなギャップも悪くない。
高美湿地は特に夕方の景色が有名なのだが、帰りの電車が1本しかないので、流しのタクシーを捕まえて駅へ戻った。駅に着いたら、唯一あるファミリーマートでさつまいもと真っ黒なゆで卵を食べて時間潰し。台湾のコンビニはテーブル席があり、カフェのように利用できるのが嬉しい。
台中の宿は1969藍天というホテル。デザイン性の高い部屋で、細部まで徹底した内装へのこだわりが素晴らしい。
台中最大の夜市が近くにあるらしいので、ホテルで一服したら外出。フロントで逢甲夜市を「フェンジア」と発音したら一向に通じず、お互い失笑と苦笑の連続。結局、一番大きい夜市の場所を聞いたら理解してくれた。ピンインの読み方が一向に分からない。
逢甲夜市は予想以上の大きさ。士林夜市より規模も熱気も上回っている印象。どこに行っていいのか全く分からないくらい広い夜市なので、まずは友人おすすめの悪魔鶏排を目指した。これは台中発祥の巨大から揚げを売るお店。とても食べきれない大きさと思いきや、あっさり味で脂身も少ないのでペロリと平らげてしまった。
次のおすすめは台湾式ホットドッグの大腸包小腸。名前のインパクトがすごいが、もちもちの生地と酸味の効いた香草が独特で、いわゆるアメリカンなホットドッグとは似て非なるもの。もう1本食べてもいいくらい気に入ったが、既に満腹なので断念。食べたいものは他にも山ほどあったが、今度来た時はまず紅茶臭豆腐という謎多き料理から始めよう。