富士山登山 / Climbing Mt.Fuji

富士五合目 [by D7100]

遂に富士山のご来光登山の日がやってきた。あらゆる準備を後輩に任せて準備万端。昼過ぎに出たものの、五合目に着いた時には既に午後6時過ぎ。分厚い雲に遮られ、太陽はもう影を潜めていた。


富士五合目 [by D7100]
富士五合目 [by D7100]

選んだのは最も急勾配で距離が短い富士宮ルート。てっきり森の中を歩くような登山を想像していたら、見渡す限り枯れ果てた不毛の地だった。暑くはないものの、体にまとわりつくような濃い湿度。


元祖七合目 [by D7100]
富士八合目 [by D7100]
富士八合目 [by D7100]

やがて暗闇が根を下ろし、空気が乾燥し始めた。もはやヘッドライトなしでは歩くこともできず、ウィンドブレイカーなしでは寒さに耐えられない。異世界に迷い込んだような不安と興奮。


山道 [by D7100]
富士九合目 [by D7100]
山小屋 [by D7100]

九合目についた時には、突風が吹きすさび、僕たちは真冬のような寒さにさらされた。運良く空いていた山小屋で一時暖をとるも、寒さとの戦いは終わらない。空を見上げると、宝石をばら撒いたような夜空があった。


ご来光 [by D7100]
ご来光 [by D7100]
ご来光 [by D7100]
ご来光 [by D7100]
ご来光 [by D7100]
ご来光 [by D7100]
ご来光 [by D7100]
ご来光 [by D7100]
ご来光 [by D7100]

深夜3時過ぎにやっと頂上に到着した。そこから日の出の時間までは、体を石のように丸めて無心で待機。頂上は遮るものがないため、強風が容赦なく襲ってくる。耐えに耐え、夜が白み始めた頃にご来光を拝める場所に移動した。

じっと待つこと数分。強風に煽られた雲が艶かしく舞う中、生命の源泉のような太陽が静かに力強く立ち現われた。この世のものとは思えない光景に、僕は寒さも忘れてシャッターを切った。見に来てよかった。ここまで来た全ての労苦を忘れられる瞬間。


ご来光 [by D7100]
雲 [by D7100]
お鉢巡り [by D7100]
お鉢巡り [by D7100]
お鉢巡り [by D7100]
お鉢巡り [by D7100]
お鉢巡り [by D7100]
お鉢巡り [by D7100]
お鉢巡り [by D7100]
下山 [by D7100]
下山 [by D7100]
下山 [by D7100]

日が昇り切った後は、お鉢巡りで火口の周りを歩いた。外に目を向ければ地面の代わりに一面の雲の絨毯。夜を徹した疲労と高度3,700mの空気の薄さが夢と現実の境界を曖昧にする。むしろ、この時の僕には一連の登山体験を現実と考える方が不自然だった。気圧変化で痛くなった耳を気にしつつ、僕たちは長い道のりを下り始めた。真冬の太陽は輝きを増し、もうすっかり夏の表情に変わっていた。

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