先日、妙な縁で久しぶりにDJをした。小さなカフェの1周年記念パーティ。DJの技術は到底人に披露できるレベルではないのだが、PCDJ(パソコンでするDJ)なるものに惹かれて引き受けてしまった。PCDJはパソコンに入れた音源をコントローラーで操作する仕様なので、音源を持ち運ぶ必要がない。実際に触ってみたらボタンひとつで曲の速さを変えられるし、コントローラーとパソコンの連動もスムーズ。アナログDJしか知らない人間には異次元のシステムだった。気分はまるで羽田空港に降り立った横田庄一。恥ずかしながら今存じ上げました。
最初は試しにトランスをかけてみたのだが、これが思った以上に気持ちいい。基本的にDJをする時はヒップホップしかかけないので、規則的な4つ打ちのリズムを紡いでいく感覚が妙に新鮮。しかも、速度を一発で合わせられるから、適当につなぐ分にはほとんど手間がかからないのだ。レコードは速度を合わせるのが非常に難しいので、僕のような素人はデジタル技術の恩恵にあずかるべきと痛感。それにしても技術の進歩は本当に凄まじい。
心温まる音楽とおいしい食事で、パーティは優しい熱気を帯びて進んでいった。そして最後は、ライブをやってくれた元店員の女性が店長に表彰状をあげてお開き。新しい出会いがあったし、知らない音楽を知ることができたし、転職活動に疲れた僕には一服の清涼剤になった。PCDJにすっかり魅了されてしまったので、早速帰りの電車の中でDJコントローラーの検索を始めていた。
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