カシュガル2日目。相変わらずお腹が痛い。これは連日の激辛料理に加えて、前日のウルムチで羊のミートパイを何個も食べてしまったことが原因と推測される。問題なのは羊のミートパイにふんだんに入っている羊の脂身の量。豚骨ラーメンでお腹を下すことがある僕には脂が多すぎた。食あたりというより、脂と辛さで腸がギブアップしたのだ。
そんなわけで、僕はホテルの朝食は取らずに、出かけ頭に見つけた露店でとうもろこしを買った。店員の女性は非常に無愛想だった。理由は分からないが、カシュガルはウルムチと比べると遥かに人当たりが悪い気がする。場所が変われば人も変わるのだろう。そんなことを考えつつ、いい焼き具合のとうもろこしを食べてみた。全然おいしくなかった。
当てもなく歩いていると、通りに人だかりが見えた。近づいて行くと、そこは屋台のマーケットだった。食べたい気持ちはやまやまだったが、いかんせん選択肢が羊か激辛料理なので選ぶに選べない。僕はデザートとして黄色い饅頭のようなものを買ってみることにした。噛んで中を見てみると、それはイチジク。あまりイチジクが好きではない僕は、結局口直しにメロンを食べた。メロンは大抵2元(≒30円)で一切れ食べれるので非常にお得。
マーケットの向かいには大きなモスクがあり、見ると人々がぞろぞろ中へ入っていった。その時は何とも思わなかったが、狭い通りの壁に向かって礼拝している人を見て気がついた。礼拝の時間なのだろう。時間は午後3時。しばらく近くで見ていると、お祈りをしている人の中にあくびをしている人がいた。実際、礼拝にあまりストイックな雰囲気はなく、彼らにとって礼拝とは純粋な信仰心というより、単なる日常習慣のようだった。
中国にあらゆる点で程遠いカシュガルだが、国際的には中国の一部。商店の並びを歩いていると、これ見よがしにかけられた中国の国旗を目にする。そして、大通りが交差する場所には毛沢東の石像が堂々と立っていた。主席は死してなお、こんな中国最果ての地でも「解放」した異民族を見張っている。
そろそろお腹の具合が悪くなりそうな気配を感じたので、来た道と別の道を通りながらホテルに直帰。帰り道では帽子を売るマーケットと衣類を扱うマーケットを見つけた。初日は廃墟だ廃墟だと騒いでしまったが、街並みはともかく、活気は十分にある土地だと認識。しかも、この日はホテルの近くで何人もの白人観光客と中国人観光客を見かけた。やはりカシュガルは中国内のシルクロードの最終地点と認知されているようだ。
最後は散策中に出会った子供たちの写真。ここカシュガルでは大人たちは若干冷淡だが、子供たちは相変わらず僕に素敵な笑顔を与えてくれた。誰がどの民族なのかさっぱり分からないが、子供は国籍問わずかわいらしい。
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(続く)