ラオス / Laos Part.4 (ルアンパバーン)

ワットタイ空港の国内線 [by iPhone4]
ワットタイ空港 [by iPhone4]
Lao Airlines [by iPhone4]

お昼前に首都ヴィエンチャンに別れを告げ、ルアンパバーンへ移動。ワットタイ空港の国内線は想像以上に質素で、電光掲示板の類が1つもない。便の案内は係員がプレートを手で入れ替える愛すべきアナログ仕様。きっちり教科書通りの2時間前に到着したにも関わらず、飛行機が遅延したため薄暗い搭乗口で長時間過ごす羽目になった。


ルアンパバーン空港 [by iPhone4]
ホテル [by iPhone4]
室内 [by iPhone4]

結局、予定より30分遅れて飛行機は空港に到着。東南アジアの元気過ぎる太陽は、ここルアンパバーンでも疲れ知らず。さてこれからホテルに行こうとアスファルトに立ち尽くすと、自分が影と一緒に地面に焼き付いてしまいそうな感じがした。

ホテルは、ジャングルの中にあるようなトロピカルな雰囲気。が、部屋は見た目とは裏腹にカビの臭いが鼻につき、あらゆる家具の建て付けが酷かった。更にバスルームには、下水の臭いとそれを誤魔化す香水の匂いが入り混じって、怨念めいた負の芳香が充満していた。ドアの上の、小さな虫なら造作もなく入れる隙間を見ながら、3日間無事にやり過ごせるだろうかと僕は放心。すると突然、目の前が暗くなり周りはしんと静まり返った。世に言う停電である。


やしの木 [by iPhone4]
通り [by iPhone4]
通り [by iPhone4]
露店 [by iPhone4]
マーケット [by iPhone4]
寺とやしの木 [by iPhone4]

停電はすぐに復旧し、しばらく汗が引くのを待ってから行動開始。とはいえ夕方に差し掛かる時間なので、無理をせず街の雰囲気を確認するに留めることにした。ここは首都ヴィエンチャンよりもずっと観光地向けに開発されており、洒落たカフェやレストランが多い。当然、露店の数も多く、試しに飲んでみたフルーツシェイクは絶品だった。ただし、蝿だらけの作っている現場を見ると飲む気は瞬時に失せる。


カーン川 [by iPhone4]

マーケットをひたすら東に歩くと川にぶつかる。茶色の絵の具を溶かしたようなこの川は、メコン川の支流のカーン川。しばらく眺めていると精悍な掛け声が遠くから聞こえてきた。お祭りでもやっているのかと思ったら、上流から大きなカヌーが2台。川に囲まれた地域だから、きっとカヌーがポピュラーなスポーツなのだろう。


メコン川 [by iPhone4]
メコン川と空 [by iPhone4]
メコン川 [by iPhone4]
メコン川 [by iPhone4]
メコン川 [by iPhone4]

カーン川沿いにしばらく歩くとより幅の広い川に合流する。これがヴィエンチャンでも見たメコン川。東南アジアにとってこの川が果たした役割は極めて大きいのだろう。母なる川。しかし、この川の恩恵にあずかるために国家間の衝突が絶えないのもまた事実。赤褐色の水には血も含まれている。


やしの木と電線 [by iPhone4]

メコン川を見て満足した僕は、安全を期して同じ道を戻った。そして、空腹を満たすため、ホテル近くの小汚い食堂で少し早めの夕食。ハエを手で払いながら、鳥肉のフォーを食べた。これがラオス式なのかベトナム式なのかはさっぱり分からない。

夜は、部屋にこもって写真の整理。電力供給が不安定なため時々暗くなるのが不気味。夜中、そろそろ寝ようと電気を消して目を閉じた。人間は視覚が無くなると、聴覚が自然と研ぎ澄まされてくるもの。しばらくすると、家具が軋む音や遥か遠くで人が叫んでいるような音が聞こえてきた。ここは心霊ホテルなのかもしれないと戦慄し、僕はホラー映画の主人公になったかのような八方塞がりな気分になった。しかし、よくよく考えると東南アジアの幽霊の実例が全く思い浮かばず、そのうち馬鹿馬鹿しくなって気がつけば朝。幽霊も文化が違う人間の前に現れるのは少し気恥ずかしいのかもしれない。

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