神戸は三宮へ出張。大阪以西は滅多に行く機会がなく、三宮は人生2度目の訪問。この街は喧騒もなく落ち着いていて、どことなく品の良さが漂っている。
仕事を終えた後は、社労士の先生と食事がてら近隣を散策。港町だけあり、レトロな西洋建築が多い。小綺麗な旧居留地を少し歩くと、南京町という派手な中華街が目に留まった。先生の話によると昔は相当汚かったらしいのだが、今見ると想像もできない。ここで働いている華僑2世たちは、完全に日本に同化していて言われなければ絶対にわからない。
南京町を抜けて、神戸港に面したメリケンパークへ。途中、魚の巨大なオブジェがあったのだが、この辺りではその昔「ダンパ（ダンスパーティ）」が行われていたらしい。今でいうクラブだろうか。メリケンパークは公園というより港に面した広場に近い。夜な夜な愛を語り合うには格好の場所だろう。
メリケンパークの後は、商店街を経由して三宮方面に戻った。この商店街は元町商店街という名前で、東西に長く伸びている。特徴的なのは、古美術や刀剣や海軍の制服などマニアックな商品を扱う店が多い点。昔はいわゆるハイカラな商店街だったのだろう。老体に鞭打って長いこと歩いたため、先生のお勧めのコーヒー屋で一服。コーヒー音痴のため味は正直よくわからなかったが、お店の雰囲気がコーヒーの香りとよく合っていた。
三宮に戻って夕食は焼肉屋へ。久しぶりにレバ刺しを食べ、舌鼓を打った。一部のモラルなき業者のために、食文化が法律の檻に入れられることに憤りを禁じ得ない。焼肉でお腹を満たした後は、ジャズバーで生音の洗礼を受け、最後にとあるスナックへ。こうして神戸の夜は、氷と共にバーボンの中に溶けていった。