最終日はぐっすり寝て、10時ぎりぎりにホテルの朝食。食堂の入り口に並んでいたら、レストランのボーイにいきなり「Chinese?」と聞かれた。チェックアウトの12時にホテルを出た後は、漫然とソウルタワーあたりを目指して徒歩。夕方の飛行機までは十分時間がある。
忠武路沿いに歩くと、何やら観光スポットのような場所を発見。その名は南山谷韓屋村。詳細は分からないが、ここでオールドスクールな韓国を堪能できた。韓国もかつては中華文化圏だったと再認識。
ソウルタワーを横目に見ながら、やがて若者でごった返す明洞に到着した。日本語がしょっちゅう聞こえてくるのが妙に気恥ずかしい。僕は屋台でソーセージにじゃがいもを巻いたアメリカンなジャンクフードを買い食いして、間髪いれずにビビンバを食べた。ついでに冷麺も食べてみようかと思ったが、胃が断固拒否しているので断念。
海鮮料理の店先で謎の生物を発見。まるで生きたソーセージ。あとで調べて見たらユムシ(海ミミズ)というらしい。食べるよりもペットとして飼いたい。
明洞の隣は南大門市場。ブランド物の精巧なコピーが至るところで売られていた。物によってはよほどの玄人でないと見分けられないだろう。ソウルは都会だと思っていたが、こういう偽造品が白昼堂々と売られているところに限界を感じる。
ソウル駅からは仁川空港へ直通の電車が出ている。無事にチケットは買えたものの、乗り方がまったく分からず改札前で何度も戸惑った。そんな僕を見てアジア系の小さな女の子が話しかけてくれたが、当然何も理解できなかった。彼女の目に映った僕はさぞ冷淡だっただろう。
仁川空港到着。時間に余裕があったので、大して空腹でもないのにフードコートで平壌式冷麺にチャレンジ。2切ればかりの薄くて硬い牛肉が心なしか切ない。この切なさが平壌スタイルと勝手に解釈。
帰りの飛行機は日本人だらけだった。にも関わらず、僕にだけ英語で話しかけてくる日本人の添乗員は何なのか。ああ、空の上で笑顔を振りまく愛しき同胞よ。