香港の休日。YouTubeで一日を終えるのもどうかと思い、曇天の中、外出を決行。特に目的も無く、馬鞍山線で大圍駅 [Tai Wai] まで移動した。会社帰りに通る九龍塘駅-大圍駅間がいつも混んでいるので、きっとここには何かあるはず。
大圍駅の案内板を見ると車公廟と書いてあった。まずはそこに行ってみようと外に出ると、構内の混雑とは打って変わって閑散としていた。
車公廟は宋の将軍である車公を祭った場所らしい。参拝客はまばらだったが、建物内部には新郎新婦がいた。きっと庶民に愛されている場所なのだろう。香港の人も信心深い。
車公廟の後は、そのまま近辺を散策。そして、高層マンションが連なる住宅街の中に市場を発見した。香港ではこういう生鮮食品の市場が珍しくない。大体、スーパーマーケットが至るところにあるのは日本くらいだろう。市場で写真を撮っていると、店の人の怪訝な目が胸に刺さる。
住宅街を歩くことに不毛さを感じ始めたので、大圍駅に戻ることにした。気になったのは、車公廟のあたりを流れる川からのガソリンのような臭い。遠くに煙が見えるし、この辺りは工業地帯なのだろうか。
大圍駅に戻って今度は反対側へ。車公廟側とは異なり、こちらは繁華街のような雰囲気。少し駅を離れると大きな市場が見えた。どことなく雰囲気は大阪の天満に近いが、規模といい活気といいレベルが違う。
帰りは用もないのに大水坑駅で途中下車。この駅名には、かねてより異様なもの感じていた。が、駅を降りても目立った観光スポットはなかった。村というと田舎のイメージだが、大水坑村はごく普通の小規模な住宅街。閑散としていて、僕の香港に対するイメージとはかけ離れた空間がそこにあった。
最寄りの馬鞍山に戻り、ショッピングモール内のスーパーへ。そこで恒例のサーモンの寿司とギネスを購入。会計を済ませて店を出ると、謎のおばあさんが僕の行く手に立ち塞がった。どうやら会計時に貰えるベルマーク(?)が欲しいらしい。実はこれがスーパーに行くときの恒例行事になっていて、愛想のいい人なので会う度にいつもあげている。考えてみると、仕事を除くと香港人との交流はこのおばあさんのみ。そして、それは永遠に非言語コミュニケーションであることが約束されている。