二日酔いで新島一周

ウコンの力を飲み忘れたまま迎えた二日酔い最終日。朝4時半起きで、新島一周を計画してみた。
天気は曇りだが、サイクリングにはちょうど良い。だが気合いを入れて北の海岸沿いへこぎ出すと、開始10分であっさり行き止まり。試す前に計画が試される羽目になった。
サイクリング再開…のはずが


行き止まりに阻まれ、やむなく南方面へ引き返してサイクリングを再開。早朝の島は人影もまばらで、潮風も心地よく、まさに快走日和だ。
ただし、不快指数を上げてくるのは、こちらの意思とは無関係に勝手にブレーキがかかるレンタル自転車。景色は爽快でも、ペダルは常に裏切ってくる。
白ママ断崖、幻に終わる


サイクリングの目的地は 白ママ断崖 のはずだったが、実際に走ってみると想像以上に遠い。地図で見るのと実際に移動するのとでは訳が違った。
結局、途中で引き返し、湯の浜露天温泉 の前でひと休みすることにした。神殿のような造りのこの温泉は、海を一望できる絶景ロケーション。水着を持ってくればよかった。
コーガ石との遭遇



民宿への帰り道、不気味な表情の石像がいくつも目に入った。調べてみると、新島名物の コーガ石 で作られたもの。
この石はなんと 新島とイタリアにしかない希少品 らしい。まさかこんな形で、日本とイタリアの縁を感じるとは思わなかった。
コーガ石をしっかり写真に収めた後は、一路民宿へ。朝食を終え、帰り支度をしていると、急に強い雨が降り出した。外に出られないので、仕方なく民宿にある雑誌を読みながら、静かな島の時間をやり過ごした。
明かされた新島の秘密





雨が上がる頃には、もう船の時間。天気を恨んでもどうにもならず、「さるびあ丸」という大型船に乗り込み本土へ向かう。
途中で寄港した大島では、帰省する人と島民がまるでドラマの一幕のように別れを惜しんでいた。泣きながら手を振る小さな女の子の姿には、不意に涙腺がゆるむ。なぜ新島ではこうした光景が見られなかったのか、答えはいまだに出ない。
初めての新島は、天気こそ致命的だったが、久しぶりに学生気分を味わえた旅だった。僕たちの上の世代が語る新島のイメージの真相も理解できたし、ある意味で 新島の秘密は明かされた と言っていいだろう。たまには国内の離島に足を運ぶのも悪くない。