台北2日目は悪夢の集団ツアー観光。夏休みと震災募金の件が重なって、チケットが取れなかったのだから仕方ない。バスの中は手持ち無沙汰なので、iPhoneをいじってもっぱらWi-Fiチェック。一回だけ繋がった瞬間があり、Facebookで行ったこともない新喜公園にチェックイン。やるせない。
最初のツアースポットは大龍峒保安宮と孔子廟。細部まで造りこまれた大龍峒保安宮は、建物だけでなく壁画にも味があった。周りを見ると地元の人がひっきりなしにお参りに来ていたが、観光客の僕たちの存在はさぞ迷惑だったろう。
続いて中正紀念堂。台湾人にとって悪名高い蒋介石の建物。僕たちを案内してくれたガイドの女性は、はじめ蒋介石について話すのを躊躇していたものの、そのうち聞いてもいないのに中国に対する激しい罵声を連発。対中感情の悪さはこの辺の歴史に起因しているのだろう。
市内観光は続く。中正紀念堂の後は、ツアー客全員で昼食を取ることに。地下のレストランに入る前に、一緒のツアー客の中年男性が階段で思い切り転倒した。激しい音とともに叩き割られる店の看板。一体、彼に何が起きたのか。店員含め全員呆然。怪我は無かったようで一安心。
店内では3つのテーブルに分かれて、僕は友人と隣り合わせで着席。互いに牽制しあう空気の中でテーブルを優しく回す感じがたまらない。日本人に円卓の食事スタイルは向かない。
食後は、台湾の靖国神社とされる忠烈祠に行った。抗日闘争の中で死んだ人も祭られているとか。やはり友好の一言では片付けられない歴史が存在する。
午後になると強烈な日差しに水分と体力を奪われ、立っているのさえ辛くなってきた。南の国で太陽と友達になるのは難しい。
最後は足ツボマッサージの店で、何故かツボについての講義を受けることになった。こんなことなら有料オプションのマッサージを受けるべきだったと後悔。白けきった室内で、先生の淡々とした声だけが響き渡っていた。どうでもいいが、鹿の角は精力増進に効果があることを学んだ。
鎖に繋がれた集団ツアーが終わった後は、街の写真を撮りながら中山駅まで。このあたりは古めかしい建物が密集していて趣き深い。漢字ずくめの看板に異国情緒を感じる。本当はツアーではなくこういうところをじっくり散歩したかった。
駅に行く途中、爽やかな出で立ちの男性から「日本の方ですか?遊びはどうですか?」となかなか流暢な日本語で誘われた。怪しいのでもちろん断ったが、UNOだったら付き合ってもよかったかもしれない。