初めての京都出張。この時期の京都はどこもかしこも死ぬほど暑い。が、せっかく宇治まで来たので、仕事を早々に切り上げて周辺を観光することに。京都は修学旅行以来のはずだが、そもそも修学旅行の記憶自体が危うい。
宇治橋通り商店街を通って、目指すは平等院鳳凰堂。さすが世界遺産だけあり、死ぬほど暑くとも優雅で落ち着いたたたずまい。鳳凰堂は英語にすると「Phoenix Hall」。英訳の軽々しさと、死んで蘇りたくなるほどの暑さ。
続いて、宇治川を通って宇治上神社へ。世界遺産とのことだが、素人目には普通の神社。一方、日差しの方は素人でも死ぬほどきついことが分かる。途中、川沿いで憩う鶴のような鳥を発見したが、死ぬほど暑いせいで名前が思い出せない。
死ぬほどの暑さで朦朧となりながら歩き続けると、大きな吊り橋が見えてきた。橋の中央には、橋の外側で怖気づいている若者がひとり。磔にされたキリストのような状態で、太陽を浴び続けるのは死ぬほど暑いに違いない。結局、最後まで飛び込めない彼を横目に、僕は駅に戻ることにした。この煮え切らなさ。そして、空には煮えたぎる太陽。ふらふらする足腰に渇を入れながら、今後京都観光は絶対に秋以降にしようと心に決めた。