テクノおじさん、勢いで渡韓の巻
昨今のテクノ熱に完全に浮かされている僕のもとに、ついに Ben Klock が来日に来るとの情報が流れ込んできた。ただし、当然のように開催は深夜帯。しかもその日は夜に会社のイベントまで入っていて、体力的にもスケジュール的にもかなり厳しい。
そんな中、別ルートから Risa Taniguchi が翌日にBen Klockと一緒にソウルでプレイするという情報が入ってきた。しかも、そのイベントの終了時間は深夜1時。
試しにAIへ相談してみたところ、「これは行くしかない」と妙に力強い回答が返ってきた。冷静な判断を期待していたのに、気が付けばAIに後押しされる形でチケットと航空券を決済していた…。
1万円で挑むソウル遠征


出発は前日土曜日のお昼。成田エクスプレスに乗り込み、優雅にコーヒーを飲んでいたところで、旅の神様がいきなり試練を投げてきた。
──まずい…クレジットカードが入った財布ごと家に忘れた…
一瞬めまいがしたが、幸い現金は1万円だけ持っていることを確認。これで何故か「なんとかなりそう」という根拠のない自信が急にみなぎってきた。現代はスマホがあれば、だいたいどうにかなる。多分。
空港では恒例の吉野家へ。600円の牛丼を噛みしめながら食べる。最悪ソウルでろくに飲み食いができない可能性があるので、ひと口ひと口が切実だ。
eSIM 3連敗のソウル着


2時間半のフライトを終え、ソウルに到着。財布を忘れた人間にとって、ここから先はスマホと通信環境が生命線である。
さっそくeSIMに切り替えようとしたが、またしても繋がらない。幸いオペレーターに聞いたらすぐ解決したものの、eSIMのトラブルはこれで3連続な気がする。
カバーする国が広いので使っているが、そろそろ考え直してもいいかもしれない。Airal○。
イミグレを抜けたら、今回の旅の生命線であるWowpassの登録を試みた。コンビニで受け取ってスキャンすると、問題なく登録は完了。しかも PayPal経由でチャージできたの で、財布なし旅行の首の皮がつながった。
あとは空港快速のチケットを発券して、ホテルへ向かうだけ。韓国はデジタルのインフラが整っていて、本当に快適だ。トラブル続きの旅人にも、わりと優しい。
顔の感覚を失うソウル初日




ホテルは仁寺洞の近く。ソウル駅を降りて乗り換えのために外へ出ると、いきなり冷凍庫に放り込まれたような寒さだった。これで東京と同じ気温とはとても思えない。
鐘路3街駅で降りると、そこは見慣れた光景だった。前回のソウルで、朝食を求めてさまよったエリアだ。通りには飲食店と、テントを張った屋台がびっしり並び、この寒さに負けず活気に満ちている。
しかしホテルの場所が分からない。何度も同じ道を行き来し、ようやくたどり着いた頃には、顔の皮膚の感覚がほぼ消えていた。
ホテルは床暖房付きで、7,000円にしては悪くない。冷え切った体には、もはや高級スパより床暖房のほうがありがたい。




ひと息ついたら、夕飯を求めて来た通りを戻る。ところが、どこもかしこもグループ向けのサムギョプサルばかり。いいお店を探したいという思いと、さっさと室内で温まりたいという思い が交錯する。
結局、ひとりでも入れそうなホテル近くのお店に落ち着いた。頼んだのは辛味噌のチゲ鍋(≒1,000円)。焼肉も付いていて、味もまあまあよかった。何より凍った顔面を解凍するには、十分すぎる夕飯だった。
Tomorrowlandへの遠い扉

1日の締めは、ベルギーの大規模音楽フェスである Tomorrowland のチケット争奪戦だった。時差の関係でアジア圏は夜中の販売になる。
買ったビールとつまみを準備したら、友人2人とLINEをつなぎ、日韓連携で戦いに挑む。しかし結果は…
たった1時間で何もせずにソールドアウト。
そもそも抽選で選ばれないと、申し込み画面にすら行けない仕組みなのだ。争奪戦と言いながら、結局男3人で雑談しただけで終わってしまった。
肩を落としてベッドに潜ると、ふと思った。やっていることが、東京とまったく変わらない。ソウルまで来て、LINEをつないでチケットのページを見守る夜。旅情とは何か。