上海 Part.3-1 (上海市歴史博物館&中共一大会場) 

朝マックで撃沈の歴史探訪デー

通り [by iPhone]
南京東路 [by iPhone]

この日はのんびり歴史探訪デー。まずは腹ごしらえにと、繁華街の南京東路でカフェを探したのだが、どこを歩いてもピンとくる店がない。結局、頼みの綱はマクドナルド。

せめてもの抵抗にと中国スペシャルっぽいブリトーと油条セット(≒550円)を注文してみたが、これが見事に撃沈。やはり、マックは シンプルな基本セットが一番 だと痛感した朝だった。

上海市歴史博物館で感じた「共」のメッセージ

上海市歴史博物館 [by iPhone]
海運エリア [by iPhone]
台湾エリア [by iPhone]
抗日エリア [by iPhone]

午前中は 上海市歴史博物館 へ行くことにした。本来なら上海博物館の方が見応えがあるのだが、確実に人の海なので今回はパス。人民広場から徒歩圏内という立地も魅力だ。

博物館の建物は、かつての上海市庁舎をリノベーションしたクラシックな西洋建築で、重厚な石造りの外観がまるでコロニアル時代の名残を思わせる。

中に入ると、上海が港町として発展してきた歴史を示す海運系の展示が並び、船舶模型や航路図が整然と並んでいた。まさに海のシルクロードの要衝としての上海を感じる空間だ。

上階に進むと、真っ赤なゲートが現れた。そこには「紀念台湾光復八十周年」「台胞抗日史料展」の文字。――またか、と正直うんざりしつつも、一応ざっと眺めて通過した。

最上階では近現代の展示が充実しており、共産党の革命史だけでなく、上海の都市文化や生活史も紹介されていてなかなか見応えがあった。

そして最後に寄った隣の西楼では、異民族である西夏の特別展が開催中。「共」という漢字が大きく掲げられ、異民族も中華文化圏の一部である という強いメッセージが読み取れた。

実際、漢民族と北方民族の関係は古来から切っても切れない。清が女真族の王朝だったように、異民族を完全に“外”とすることはできないのだ。そこに中国が抱えるウイグル問題の複雑さの一端が垣間見える気がした。

偉大なるダンプリング文化

新天地 [by iPhone]
フードコート [by iPhone]

次は、中国共産党の第1回党大会が開かれた会場へ行くことにした。

場所は、初日に訪れたおしゃれエリア・新天地(Xin Tian Di)。ここは奥に行くと石造りの歴史的建物「石庫門」をリノベーションしたショッピング街になっている。古き上海の風情とモダンなカフェやブティックが融合した人気スポットだ。

ちょうどお昼時だったので、新天地のビル内にあるフードコートへ。そこで見つけたのが、贴芯汤意というお店の葱油拌面をメインにした素食(?)セット(≒900円)

シンプルながら香ばしいネギ油の香りが食欲を刺激し、麺好きには箸が止まらないおいしさ。また、青ネギのような野菜がぎっしり詰まった餃子が絶品だった。やはり中国の ダンプリング文化は偉大 だと、改めて感じたランチタイムになった。

中共一大会址で革命の原点に触れる

中共一大会址 [by iPhone]

ランチを終え、いよいよ 中国共産党第一次全国代表大会の会場(中共一大会址)へ。さすがに重要施設だけあって、周囲は警察の警備がかなり厳しい。まずは荷物チェックを抜けて中へ。

ここは1921年、毛沢東ら13名が会議を開いた石庫門様式の住宅 で、まさに中国共産党の原点とも言える場所だ。もちろん、この頃は結成したての小さな組織で毛沢東も13名のうちの1名に過ぎない。

当時の会議室(というより邸宅の一室)を見ると、ここが中国共産党の出発点かと感慨深いものがある。他の部屋にはマルクス主義についての展示があったが、こちらはおまけ程度。

ただ、ここで思わぬお土産を発見。機関誌「新青年」のロゴが入ったトートバッグで、思わず 5個まとめ買い してしまった。1個600円ほど。中国マニアとしては、これを買わない理由が見当たらない。

中共一大紀念館で見る国家の物語

中共一大会址(新館) [by iPhone]

次はすぐ隣にある 中共一大紀念館。ここは2021年にオープンした、共産党創立100周年を記念する大型ミュージアムだ。

館内に入ると、まず目に飛び込んでくるのは 天安門を描いた巨大な壁画。その前で、小さな国旗を手にした子供たちが記念撮影をしている光景が印象的だった。

地下に降りると、共産党が結成されるまでの歴史的経緯や、指導者たちの功績が映像や資料とともに丁寧に紹介されている。つまりここは、中華人民共和国=中国共産党の精神を国民に伝える民族教育の場 なのだ。

もちろんプロパガンダという見方もできるが、国旗を振って敬礼をする子供たちを見ていると、一貫した歴史教育が国家のアイデンティティを支えていることを強く感じた。これは日本も大いに見習うべきだと思う。

(続く)

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