BNI Cityから空港へ



最終日の朝は、1日のカロリー摂取量を超える勢いで朝食を食べて出発。午前中はまだ暑さも控えめなので、空港直通の鉄道駅まで歩くことにした。
目的のBNI City駅に到着し、空港行きのチケットの購入方法をカウンターで尋ねると、男性職員がキレキレの英語で何から何まで全部対応してくれた。この前のめり過ぎる接客は日本では体験できない。
窓の外に見えたジャカルタの影

電車に乗ると、窓の外にジャカルタの街並みが流れていく。驚いたのは、目に飛び込んでくるのが高層ビル群ではなく、隙間なく続く古い家並みばかりだったことだ。まるでジャカルタの裏側を覗き込んでしまったようで、どこか後ろめたさを感じる。
急成長する国にはありがちな光景だが、ジャカルタ1都市をとっても貧富の差は相当大きいのだろう。夜に見かけた、工事中の高層ビルの前で雑魚寝をしていた作業員の姿が頭に浮かび、同じ街の中で交錯する現実のコントラストにモヤモヤしてしまった。
残念な空港飯



1時間弱で空港に到着。フライトまで少し余裕があったので、食事をするために近くお店にふらっと入った。
手元に残った現金70,000RPを使い切りたく、範囲内で2品ほど指差し注文した。やがて運ばれてきたのは、春雨ベースの麺料理と正体不明のコロッケ。
空港価格とはいえ、これで600円は割高感が否めない。店員の中年女性は冷淡だし、旅のラストを飾るにはかなり残念なインドネシア飯になってしまった…。
インドネシアの幅と奥行き




帰りはVietAirに乗ってハノイ経由で帰国する。ハノイのノイバイ空港に降り立ったのは13年ぶりで、驚くほどモダンになっていた。
時刻は19時前。ここに来たらフォーとバインミーは外せない。そして、Viet Phoというお店ででフォーを、Big Bowlというお店でバインミーとコーヒーをいただいた。衝撃的だったのは、
お値段なんと合計3,500円!
日本なら2,500円くらいで済みそうで、円安とインフレのダブルパンチを実感する。とはいえ、本場の味を堪能できたので大満足。
その後は、0:30のフライトまでひたすら空港でダラダラ。リラックスタイムのはずが、深夜が近づくにつれ疲労と眠気がどっと押し寄せる。
ようやく乗れた飛行機では、両サイドと後ろが家族連れで大賑わい。なかなか眠れないまま、成田に着いたのは朝8時で寝覚めは最悪だった。
ともあれ今回の旅は、ダヤク族の生活を体感することで、彼らの生活や宗教に知的好奇心を大いに刺激された。
また、久しぶりにアジア的な濃密さを味わえたのもよかった。そして、都会のジャカルタを歩いて、自分がいかに世界から置いていかれていたかを痛感した。
次はぜひ他の島にも足をのばしたい。地理的な幅と歴史的な奥行き、その両方で旅人を惹きつける力を持つ国──インドネシア。僕はすっかりその網に絡め取られてしまったようだ。