名残を惜しんで空港へ
最後の朝食をテラスで食べると、わずか3日間ながら何でもない外の景色が心に残った。最近思うのは、色々な土地を転々とするのも楽しいが、一か所に腰を据えてじっくり過ごすのもまた有意義だということ。
ホテルからはGrabで空港へ。3時間前に到着し、人も少なく手続きはあっという間に終わってしまった。
やることもないのでカフェで時間を潰していると、近くで一眼レフを構えて無遠慮に写真を撮りまくる若者の姿が目に入った。まるで過去の自分を見ているようで、気恥ずかしくもあり、うらやましくもある。
ジャカルタに到着、ホテルは豪華！
2時間のフライトでジャカルタに帰還した。ホテルへの移動はもちろんGrab。安さと安心感を考えれば他の選択肢は存在しない。
パランカラヤと違って、車が市内に入るにつれ渋滞はどんどん酷くりなり、外の騒音が漏れ聞こえてくる。ようこそ、東南アジアへ。この感覚をすっかり忘れていた。
予定より20分遅れてホテルに到着。1泊7,000円にも関わらず想像以上にこぎれいなシティホテルで驚いてしまった。
そして、ふと香港で同額を払って牢獄みたいな部屋にしか泊まれなかった記憶が蘇る。物価というのは、時に旅人に無慈悲な真理を突きつけてくる。
ひとごみに酔うジャカルタの夜
荷物を整理したらもう夕方。夕飯がてら近場を散歩することにした。
外に出た瞬間、久々に浴びる東南アジア的な熱気と混沌に圧倒される。いたる所に人はあふれ、屋台が並べば公共とプライベートの境界はないに等しい。
しかも、お世辞にもきれいとは言えないローカル食堂の背後に、ピカピカの高層ビルがそびえている。このアンバランスさに卒倒しそうになり、パランカラヤの静けさが恋しくなった。
カオスな街の雰囲気に少々打ちのめされ、夕食はせめて落ち着いたレストランでと決意。向かったのは Sate & Seafood Sarayan というお店だ。
いかにも観光客向けの上品な店内で、魚がのったNasi Pesisirとサテを注文（≒1,500円）。お酒も一瞬頭をよぎったが、ここはイスラム教国。周りを見渡せば誰も飲んでいないので、空気を読んで自主規制した。
ジャカルタでも夜カフェ
食後は少し散歩をしてカフェへ。ここジャカルタもパランカラヤと同様カフェが多い。これは勝手な想像だが、お酒がない分、気分を高揚させたい時に人々はコーヒーを飲むのでは と思ってしまう。
入った SGNG Coffee Shop はまたしてもおしゃれで雰囲気のいい空間。初めて頼んだアフォガート（≒300円）はアイスとエスプレッソが別々に出てきて一瞬目が点になってしまった。
不思議なのは、人と建物がごった煮のようなジャカルタにあって、なぜか客がほとんどいないこと。値段が高いのか、そもそもこんな非日常を求めていないのか。そんなことを考えているうちにジャカルタの騒々しい夜はゆっくり更けていった。