チャーシューご飯は正義




わずか5分のフェリーで写真を撮りまくり、いざ香港島に上陸。九龍とは景色が一変して、高層ビルが林立するさまはまるで別の国に来たようだった。
もう午後1時を過ぎていたので、ランチに僕おすすめの叉焼飯(チャーシューご飯)を食べにチェーン店の 太興 へ。全部盛りの七寳飯を人数分平らげる食欲はさすがにないので、スープや単品を織り交ぜて控えめに注文した。
それでもボリュームは十分で、味もみんな大満足。これからも叉焼飯普及委員会として地道に普及活動に励んでいきたい。
食後、なぜか話題は漢方薬へ。その流れでNが飲んでいる漢方を一部おすそ分けしてもらうことになった。年をとると話題が健康にシフトするのは真実。
デザート探しに街をぶらり




食後は甘いものを求めて、蘭桂坊や上環を散策しながら、目指すは 尚品鮮菓果汁 というフルーツスタンド。カラフルな盛り合わせやジュースがずらりと並んでいて、どれにするか全員でしばし悩む。
すると、Kが迷わず先陣を切って店員さんに質問攻め。気づけばすっかり打ち解けて、ほとんど友達のように話し込んでいた。その自然なコミュ力に一同感脱帽。
選んだ盛り合わせはどれも新鮮で甘くて、味は文句なし。こんなにおいしい果物が手頃に食べられる環境は、何度来ても羨ましいと思う。




ここからは男女別れて別行動。これと言って目的のない僕とKは、Kの提案で 大館 という イギリス流時代の監獄 を見に行くことにした。場所は上環と中環と間なので徒歩圏内。
大館に足を踏み入れると、そこは昔の警察署と監獄をリノベしたオシャレな文化スポット。列ができていたビクトリア監獄は当時の構造をそのまま再現していて生々しかった。想像より圧迫感があり、当時は相当窮屈だったことが窺える。
美術館に見る香港の過去と現在



次に向かったのは美術館。怪しげな螺旋階段を登っていくと、目の前に広がったのは前衛的な映像と作品の数々。
一見すると何が何だか分からない作品もあれば、社会と個人の関わりを鋭く突きつけるような展示もあって、とにかく刺激的だ。
直前にイギリス統治時代の監獄を見てきたばかりだからか、全く違う時間と空間が頭の中で交錯する不思議な感覚 が残った。香港という街の多層的な顔を、またひとつ覗いた気がする。
旺角で感じる香港の熱気

夜は今回の旅の個人的なメインイベント、元同僚とのディナー。場所は前回も訪れた潮州料理の 明記潮館 だ。
旺角(Mongkok)で待ち合わせをしていると、目の前に広がる人混みと熱気に一瞬ひるむ。それでも、変わらず賑わうこの光景にまだまだ香港は元気だなとほっとする自分がいた。
潮州料理を囲む特別な夜



軽く挨拶を済ませてプレゼントを渡し、円卓に座ったらいよいよ食事スタート。日本チームは全員潮州料理が初めてということで。どの料理も興味深げに眺めていた。
僕はというと、牡蠣のかき揚げとガチョウの煮物を食べれたので大満足。話題は、彼らの馴れ初めから日本と香港の文化まで広がり、気づけば瞬く間に時間は過ぎていた。
少しおこがましいが、こうして国を超えて友人たちが自然に打ち解けている姿を見ていると、
自分が香港と日本の小さな架け橋になったような誇らしい気持ちになる。
お酒が入っているせいで感傷的になっているだけかもしれない。まあ、こんな夜も悪くない。
ワイルドな親切とささやかな誓い



食事のあとは、毎回香港に来るたびに飲んでいる苦茶をみんなで試すことに。正直、絶対無理だろうと思っていたらみな「意外とイケる」と好評でびっくりした。
締めはこれまた恒例のデザートタイム。入ったのは近くにあった Joyful Dessert Lab というモダンなお店。台湾風のメニューもあったが、僕は迷わずいつもの亀ゼリーを注文。
食べながら、Sが翌日マカオに行く計画を話していた。すると、Nが持っていたガイドブックをその場でビリッと破り、マカオのページだけ手渡すというワイルドな親切を披露。
そんなやり取りに笑っていたら、宴はゆるやかに終盤へ。最後にワイマン夫婦にお礼を言って、僕たちは東京に来たら必ず声をかけるようお願いした。
何故なら、(今回も)食事は全部彼らのおごりという太っ腹すぎる展開…。帰り道、僕たちは 彼らが東京に来たら少なくとも今半のコースはご馳走しよう と固く誓い合った。