ボリューム満点すぎる朝食




マラケシュ2日目。
このホテルではプールサイドで優雅な朝食が楽しめる。が、今回は朝食なしのプランにしたため、朝のマラケシュを歩きながら、何か良さそうなお店を探すことにした。
見つけたのはオープンテラスのフレンチカフェ。雰囲気はなかなか良いものの、隣の公園からほんのり漂う 下水系のにおい がちょっと気になる。ちなみににおいの方向を眺めたら、遠くに 大量のハトにエサをばら撒くハトおじさん がいた。
注文したのは、エッグベネディクトの Hollandais というセット。写真の通り、卵3個にヨーグルトとフルーツが付く、もはや朝食の域を超えたボリューム感。
更にようやく食べ切ったとき、追い討ちをかけるように 蜜まみれのワッフルが現れた。これで 95DH(≒1,500円)はすごいコスパだが、どう考えても体には悪そう。
謎の初老男性と、スカーフへの誘い


食後は、のんびり街を散策。周辺はおそらく観光エリアらしく、茶色のモダンな建物 が堂々と立ち並ぶ。しかし、少し道を外れて奥へ進むと、グラフィティーに塗りつぶされた壁、建設途中のまま放置された建物など、一気にローカル感が増す。
交通量の多い通りで立ち止まっていると、隣にいた初老の男性と目が合った。信号がないため、渡るタイミングがなかなかつかめず、気がつけば なんとなく雑談する流れに。
彼は 目が赤く充血 していて、彫りの深い顔立ちがどこか風格を感じさせるが、体調はあまり良くなさそう に見える。軽くモロッコの話をしていると、話題は サハラ砂漠 へ。
「スカーフは持っているか? あれがないと砂嵐でひどい目に遭うぞ。ちょうどいい店があるから、一緒に行こう!」
──詐欺師のにおいしかしない…。
が、別に強引な感じでもないし、嫌なら買わなければいいだけの話。興味本位で、おじいさんについて行ってみることにした。
スカーフは無事に買えたが、初老男性の本当の目的は…?



案内されたお店は、まさに モロッコ土産の総合商社。スカーフはもちろん、ランプ、香辛料、陶器、革製品と、ありとあらゆるモロッコ雑貨が所狭しと並んでいた。
おじいさんが店員に何かを頼んでくれたが、店員は 完全に「またか…」という蔑んだ目線。どうやらこの流れ、店側にとっては 日常茶飯事 のようだ。
それでも店員はちゃんと対応してくれて、僕を 地下のスカーフコーナー へ案内してくれた。
安心したのは、店員の親切さもさることながら、スカーフにちゃんと値札がついていたこと。さらに、店員に スカーフの結び方を何度も教えてもらったので、ここでスカーフを購入することにした。価格は、100DH(≒1,500円)。
店の外に出ると、待ち構えていたかのように おじいさんがぬっと登場。
「スカーフ、買ったか?」
と確認してきたので、スカーフを見せると、彼は 突然深刻な顔 になり、
「実は病気があって、薬を買うお金が必要なんだ…」
──やっぱりそう来たか!
うなだれつつも、確かに具合は悪そうなので、(交渉の末)30DHを渡すことに。おじいさんは「ありがとう」と言い残し、よろよろと街の中へ消えていった。
冷静に考えてみると、僕は 2日連続で根拠のないお金を払っている。観光客として 完全にカモられている気しかしない。たいした金額ではないものの、そろそろ気を引き締めないといけない。
ついにフナ市場へ、迷宮のような商店街を歩く






マラケシュといえば フナ市場(Jemaa el-Fnaa)が有名らしいので、バスに乗って行ってみることにした。バスの運賃は 一律4DH(≒60円)でお財布に優しい。
フナ市場のバス停で降りると、目の前には 盛り上がりに欠ける広い広場。パラソルの下でぼんやりと佇む人々が点在しているが、正直あまり活気がない。
今日は休みなのかと首をかしげながらウロウロしていると、ふと 人だかりができている一角 を発見。どうやらそこがフナ市場の入り口だったらしい。
市場の中に足を踏み入れると、両側に小さな商店がびっしりと並んでいる。通りは迷路のように入り組んでいて、まっすぐ歩いているつもりでも 気づけば方向感覚が狂っている。
ここにいる観光客の ほぼ9割が西洋人 で、彼らは緻密なデザインのお土産をじっくりと眺めたり、店員と楽しそうに交渉したりしている。僕は基本的に物欲がないので、横目でスルーしていたのだが、カラフルで美しい モロッコの陶器 だけは、つい足を止めてしまった。
マラケシュ博物館で貴族の邸宅をのぞき見






フナ市場を抜けて15分ほど歩くと、マラケシュ博物館 に到着。ここは メネビ家という貴族の邸宅を改修して作られた博物館 で、マラケシュの芸術や文化に関する展示が見られる場所らしい。
しかし、入ってみると 「お屋敷をそのまま博物館にしました」 感がすごい。思ったよりも規模は小さく、さらに 説明はすべてアラビア語とフランス語のみ。読めない文字の羅列を見つめていると、次第に意識が遠のいていく。
館内の目玉スポットは 中庭の巨大なシャンデリア。確かにサイズ感は圧倒的なのだが、薄暗くて良さがイマイチ伝わらない。
とはいえ、入場料は 20DH(≒300円)。モロッコの貴族がどんな暮らしをしていたのかを垣間見るには、なかなか面白い体験だった。派手な観光スポットではないが、ふらっと立ち寄るにはちょうど良い場所かもしれない。
(続く)