エルベ川を渡って、エルプフィルハーモニーへ



ランチの後は、フェリーに乗って エルプフィルハーモニー(Elbphilharmonie Hamburg)へ向かうことに。しかし、北ドイツは寒い。フェリーを待っている間の風の冷たさは尋常ではない。
そんな中、先輩がドイツ流(?)のマフラーの巻き方を伝授してくれた。方法はシンプルで、帽子の後頭部部分にマフラーを噛ませて巻くだけ。そんな簡単なことで変わるのかと思ったが、実際にやってみると驚くほど暖かい。
いわくつきの芸術建築


フェリーで対岸に渡り、見えてきたのはハンブルクが誇る芸術的な建築、エルプフィルハーモニー。波打つようなガラス張りの近未来的なデザインは、一目見ただけでインパクト大。
しかし、先輩曰くこの建物はいわく付きらしい。どうやら、建設費が予算を大幅に超過し、工期も大幅に遅れ、ハンブルクの行政を巻き込んでの大騒動になった という。
エルプフィルハーモニーはコンサートホールなのだが、数ユーロ払えば誰でも入場可能。中にはハンブルクを一望できる展望スペースがあり、観光目的でも十分楽しめる。
ところが、実際に展望スペースに出てみると、吹きっさらしの強風が直撃。お世辞にものんびり眺めるという環境ではない。とりあえず写真を数枚撮って、即撤収した。
倉庫街の有名カフェでコーヒーブレイク


ハンブルク観光の締めくくりは、倉庫街にあるカフェでコーヒーをテイクアウト。この辺りでは評判のお店らしく、店内はほぼ満席。
頼んだコーヒーは、コク・苦味・酸味のバランスが絶妙。なるほど、人気店なのも納得のクオリティ。とはいえ、この極寒のハンブルクでは、温かい飲み物はすべておいしく感じる という説もある。
北ドイツ観光、終了


ハンブルク中央駅に着いた時、2日に渡る北ドイツ観光がついに終了した。夕飯まではまだ時間があるので、駅で軽食を調達。選んだのは、魚のフライのサンドウィッチ(Fischbrötchen)とチョコレート。
そして、見送りの先輩に別れを告げ、電車に乗り込む。
──案の定、なかなか出発しない。
もう慣れっこになっている先輩は気にせず待ってくれたが、こちらとしては気まずいことこの上ない。
10分ほどしてようやく電車が動き出し、窓の外の先輩に手を振った。その姿が見えなくなったのを確認すると、ホッとひと息ついて、フライがはみ出ているサンドイッチをほおばった。
ひとり旅では得られないもの
振り返ると、本当に密度の濃い2日間だった。歩いた距離は間違いなく相当なものだったが、最も大きかったのは地元に住む先輩の存在。
先輩は個人ガイドもしているだけあって、観光スポットだけでなく、歴史や文化にも精通している。そのおかげで、単なる観光以上の体験ができた。
ひとり旅は気楽で楽しい。しかし、ひとりだからこそ出会えない情報もあることを改めて実感した。例えば、市庁舎前のユダヤ人の墓標。ひとりで歩いていたら確実に見落としていただろう。
宿だけでなく、2日間も観光に付き合ってくれた先輩には感謝しかない。本当にありがとうございました。
遅延続きのドイツ鉄道に反撃開始

ハンブルクの余韻とコペンハーゲンへの期待を胸に、気持ちよく乗っているとまたもや電車が遅れ始めた。もはやこれはドイツ鉄道(DB)のお家芸 と言っても過言ではない。
これを旅の醍醐味と割り切れれば楽なのだが、深夜のコペンハーゲンで路頭に迷う可能性を考えるとイライラが止まらない。振り返るとベルリンからここまで、まともに時間通り移動できたことがない。こうなってくると、もはや誰かの陰謀を疑いたくなるレベル。
そう思うと、何だか巨悪に立ち向かうような使命感が生まれ、ドイツ鉄道(DB)への返金申請 をしてみることにした。スマホを開き、DBの公式アプリから必要情報を入力し、渾身の力で最後の「Submit」をタップ。
送信ボタンを押した瞬間、確かに一定の達成感はあった。が、電車は相変わらず遅れたままで焦燥感は変わらない…。
余談: 後日、自宅に書面で割引クーポンが届きました。
コペンハーゲン到着、駅の荘厳さに思わず声が出る



予定より1時間強の遅れで、ようやく コペンハーゲン中央駅 に到着した。時計を見ると、夜11時前。深夜の到着で警戒していたが、思った以上にホームは明るくて安心した。
しかし、凍てつく風が痛い。というか、寒いを通り越して痛い。まるで空気が刃になったかのようだ。
エスカレーターで上へに上がると、目の前に広がったのは巨大なドーム状の駅。さらに、壁には十字のデンマーク国旗が整然と並び、まるで敬礼するかのように厳かに並んでいた。
疲れと緊張、そしてこの駅の格調高さに心が揺さぶられたのか、思わず「すげー!」と声が出てしまった。この瞬間、DBへの怒りやストレスが全て吹き飛んだのは言うまでもない。
細すぎるベッドと高まる期待



ホテルは駅から徒歩5分ほど。Googleマップを頼りに歩くも、ホテルが意外と奥まったところにあって、少し道に迷ってしまった。とはいえ、大きく遠回りすることなく無事に到着。
宿泊先はいわゆるバジェットホテル。しかし、フロントのスタッフが気さくで、
「デンマークは初めてかい?楽しんでくれよ!」
と、フレンドリーに声をかけてくれた。
部屋に入ると、まず目に入るのが驚異的に細いベッド。寝返りを打ったら落ちること必至。とはいえ、部屋は清潔だし、最低限の設備は揃っている。何より、デンマークを楽しめそうな予感にわくわくが止まらない。
シャワーを浴びたら、明日はどこへ行こうかと、しばらくスマホで観光情報をチェック。そうして、気づけば、時間はもう午前2時をまわっていたのだった。