1週間ぶりのアムステルダムは曇天。アムステルダムセントラル駅に降り立つと、国を間違えたのかと思うほどアジア系の人々が多かった。観光立国を目指す日本にも随分観光客が増えたと感じるが、その比ではない。
そのままホテルに向かってもよかったが、せっかくなので当初のアムステルダムの目的でもあったアンネの家に立ち寄ることに。実はこのアンネの家は完全予約制で、2~3週間前に申し込んだ時には既に売り切れていた。家の前に着くと、たくさんの観光客が入口の扉をバックに記念撮影をしていた。入れないのは残念だが、次の機会に取っておこう。
ホテルに到着。入口のかわいい猫にじろりと睨まれたが、受付の若いスタッフは非常にフレンドリーだった。きっとこれはオランダ人の気質なのだろう。さて、部屋の中に入ってみると、殺風景な空間に簡易ベッドがひとつ。ハイシーズンのアムステルダムで1万円なので期待はしていなかったが、正直がっかり。そんな僕の気持ちを代弁するかのように、やがて雨が窓を叩き始めた。
翌朝は快晴。朝食を食べに行こうと地下に行ったら、往年の映画に出てきそうな人懐こいマダムが手作りのハムエッグを用意してくれた。おいしかったのでパンを数枚おかわり。食べ過ぎを若干後悔しながら、食後のコーヒーで一服した。
フライトまで数時間あるので、初日とは違ったルートで街を徘徊。運河と街が一体となった景色は本当に絵になる。何でも手に入るし、ありとあらゆる種類の人々がいるし、アムステルダムは本当に開放的でクールな街だ。次に来る時は、絶対仲間や恋人と来よう。
こうしてあっという間のアムステルダム経由のチェルノブイリツアーは終了。負の遺産を巡るダークツーリズムが今回の趣旨だったが、キエフではビールを飲んでゆっくりできたし、チェルノブイリでは事故の悲惨さとは全く別の非日常的な興奮を味わうことができた。チェルノブイリに行くことに不安がなかったわけではないが、結果として安全かつ最高の旅行になったわけで、やはり物事は自分の目で見なければ真相は分からない。