チェルノブイリ / Chernobyl Part.3-1 (キエフ市内)

ローカルバスは運賃リレー

ニフキ駅 [by D7100]
ニフキ駅 [by D7100]

翌日は市内観光に出発。が、まずはローカルバスに乗らないと始まらない。ウクライナのバスには料金機がなく、支払いは運転手に現金を手渡しする昔ながらのシステム。

しかも、車内が混んでいると、自分が運賃リレーの中継地点に早変わりする。後ろの人から無言で差し出される小銭とお札をひたすら前へパスし続けなければならないのだ

最初にお金を渡して無言で頷いた、あの若者の目力を一生忘れることはないだろう。


お金のパス回しでぐったりしながらも、なんとか駅前に無事下車。小さな達成感を味わいつつ、そのまま地下道に降りて、薄暗い風景をせっせとカメラに収めていた。

すると、突然後ろから低い声が飛んできて心臓が縮む。振り向くと、そこには制服を着た警察官が仁王立ち

どうやらここは撮影NGだったらしい。共産主義時代の名残だろうか。単に僕の挙動が不審だった可能性もゼロではない。

フレシチャーティク駅の追悼碑

追悼碑 [by D7100]
追悼碑 [by D7100]

まずは市内の中心を目指して、地下鉄に乗ってフレシチャーティク駅(Khreshchatyk)で下車。階段を上って地上に出てみると、意外にも閑散としていてちょっと拍子抜けした。

もしや出口を間違えたのかと周りをうろうろしていたら、ふと追悼碑を見つけた。2014年に親露派政権に対して起きた内乱を記念する碑らしい。

ロシアとウクライナだけでなく、どこの国でもお隣同士のいざこざは尽きない。つまり、これは世界共通の課題。

独立広場でゆるめの攻防戦

フレシチャーティク駅前 [by D7100]
独立広場 [by D7100]
独立広場 [by D7100]

緩やかな坂を下ると、ぱっと視界が開けて広場に出た。たぶんここが 独立広場 だろう。平日なので大賑わいとまではいかないが、ほどよい活気が漂っている。

そこへ早速、着ぐるみや鳩を抱えた人たちが次々に寄ってきた。写真を撮ったら法外なチップを請求されるのが目に見えているので、全員華麗にスルー。

キエフ初ランチは大衆食堂で

キエフ市内 [by D7100]
キエフ市内 [by D7100]
キエフ市内 [by D7100]
キエフ市内 [by iPhoneSE]

キエフに着いたはいいものの、右も左も分からないので、とりあえず昼食を視野に入れながら街をうろうろ。キエフ中心部は想像以上にきれいで安心した。

中心地だからか、やたら観光客向けの高そうなお店ばかり並んでいて、ウクライナ料理の大衆店がなかなか見当たらない。これはもうケバブで済ませるしかないと半ば諦めかけていたそのとき、それらしいお店を発見した。

その名も プザタハタ(Puzata Hata)。食堂スタイルで、トレーを持って好きなものを選べるシステム。並んだ料理がどれもこれも魅力的で、悩んだ末に餃子とボルシチとサラダを選んだ。

味は期待以上で大満足。値段も500円程度とお財布にも優しい。サワークリームがこれでもかと乗ったボルシチをすすりながら、たぶんここが滞在中の栄養源になることが決まった

ヤツメウナギとの再会

キエフ市内 [by D7100]
キエフ旅客駅 [by D7100]
キエフ旅客駅 [by D7100]
キエフ旅客駅 [by D7100]
キエフ旅客駅 [by D7100]

お腹が満たされたところで、再び街歩きを再開。近くに大きな駅があったので、なんとなく引き寄せられるように向かってみた。

到着してようやく気づいたのだが、この駅は昨日バスに降ろされたヤツメウナギの駅だった。ようやく頭の中でキエフの地理がつながり始めた気がする。

ちなみに駅近くのマーケットで、調子に乗って自由気ままに写真を撮っていたら、店員に1回、そして警察に1回、合計2度も注意を受けた。キエフはカメラ愛好家に厳しい。

注意されすぎる異国体験

ウラジーミル教会 [by iPhoneSE]
ウラジーミル教会 [by iPhoneSE]

キエフ駅から通りをまっすぐ歩いていると、教会の前でちょうど祭礼が行われていた。気になって中に入ってみると、想像以上に荘厳な雰囲気で、緻密な装飾がこれでもかと目に飛び込んでくる。

これは写真に収めない手はないとカメラを構えたら、またもやスタッフに注意されるデジャヴ。海外では日本で味わえない体験ができるとはいえ、たった1日で4回も注意を受けるのはいかがなものか…。

教会を後にして、さすがに歩き疲れてきたので近くのカフェに避難。気分を切り替えようと、コーヒーではなくビールを注文してみた。ハエとの死闘を繰り広げるハプニングはあったものの、真っ昼間から飲むビールはどこの国でもやっぱり優雅で格別。

(続く)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です