翌日は世界遺産に登録されているマレーシアのマラッカへ。5時間ほどバスに揺られて昼過ぎに到着すると、僕を待ち受けていたのは灼熱の太陽。シンガポールが思った以上に涼しかったのでこれはかなりのダメージ。一方、ホテルが快適だったのは救いだった。シンガポールと同じ値段でダブルベッドは嬉しすぎる。勢い余ってベッドでトランポリンをしたのは言うまでもない。
朝から何も食べていないので、昼ご飯を求めて街へ繰り出した。が、周りに何があるのか全く分からないため、とりあえず最初に見つけた海南チキンのお店へ。この料理は香港でよく食べていたので1食目として微妙だが、空腹には勝てない。味はまずまず。ただし、値段を考えると再訪は厳しい。
汗を拭いながら中心地と思われる方向にまっすぐ歩くと、教会とWORLD HERITAGEの壁文字が見えた。この辺りが中心地に間違いない。更に歩くと出店がちらほら見え始め、赤褐色の建物が並ぶこじんまりした広場に出た。マラッカはオランダの植民地だったので、建物はその名残なのだろう。ここで飲み物を買って、汗が引くまでしばし休憩。
広場から川を渡るとJonker Streetと呼ばれる通りに入る。ここは観光客向けの飲食店街で、マラッカで観光客が求めるものは大体手に入りそう。実はこの通りに友人お勧めのラクサの店がある。長々歩いてようやく見つけたその店の名はJonker88。ここのラクサはココナッツの甘みが強いシンガポールのものとは違って、酸味がたっぷり効いたストロングスタイル。個人的にはこちらの方が断然好み。
暑さと満腹とバス疲れのため、今日は切り上げて引きこもることに決めた。さして遠くないので頑張って歩いて戻ると、Bボーイ風の現地人に話かけられた。「お前は今日は運がいい。神が祝福してくれている。少し話をしないか?」とのこと。ひとり旅で珍しくない宗教勧誘。何故、短期滞在の旅行者を誘うのか。僕は近くに停まっていたタクシーに声をかけ、ホテルへ急いだ。