翌日は観光名所の九份と十分へ。移動は莒光号という電車。指定席の買い方が分からず、素知らぬ顔で空きの指定席に座っていたら、難なく車掌チェックをパスできた。恐らく車内がガラガラだったから見逃してくれたのだろう。
九份と十分の分岐点にある瑞豊駅に到着。ここで見事に乗り継ぎに失敗したため、小一時間の余裕ができてしまった。街を歩いていると、美食街という怪しげな施設を発見。試しに人だかりのできている胡椒餅を食べてみたら、これがなかなかおいしい。ただし、注意しないと中が熱すぎて口内火傷必至。肉汁の悪魔。
ぶらぶら歩いていると発情期の野良犬に目を付けられた。いくら追い払ってもつきまとってくるので、途中で逃げるのを断念。人の足を掴んで元気に腰を振る犬。失笑する周囲の人々。潰れない時間。
十分駅に到着。線路沿いに露店が並び、賑やかな雰囲気。線路では観光客がひっきりなしに願い事を書いた提灯を飛ばしていた。言葉を見るとほとんどが日本語と韓国語と中国語。提灯がきれいだと思うと以上に、火が燃え尽きたらどこに落ちて誰が片づけるのかを考えてしまうのは大人への階段を上り切った証拠。
続いて、タクシーで5分程度のところにある十分瀑布。ここはアジアのナイアガラと呼ばれているらしい。滝自体も素晴らしいが、何より緑豊かな秘境にいるような雰囲気に癒された。滝を反対側から眺めると、霧になった水しぶきを否応なく浴びることになる。大自然のシャワー。
十分に戻ると、相変わらず提灯を飛ばす人々。次は九份に行かなければならないため、早々に撤収。駅に向かう道、到着時に散々バイクツアーをねじ込んできたおじさんにお別れの挨拶をした。
(続き)