翌日は民宿のすぐそばにある浦山ダムへ。生まれて初めて見るダムは、人工とは思えないトルコ石の湖。真下を眺めながら、放流口から大量の水がジェットコースターのように吹き出す様を想像する。誰かが練習しているトランペットの間延びした音色が、遠くからずっと聞こえていた。
次の目的地は長瀞。前回出来なかったライン下りをしたかったので駅前でチケットを買った。そして、乗る前にお昼を食べようと入念な熟慮を重ねて選んだのはまたもやそば。もちろん、山菜の天ぷら付き。二日連続ともなると、さすがに感動は薄れる。
木々を圧倒する岩畳の間を流れる荒川はなかなかの奇観。20人ほど乗れるボートに乗りこんで、ライン下りが始まった。はんてんを来た船頭の背中が凛々しい。穏やかな流れと思いきや、所々急流があり、水しぶきを何度か浴びた。流れる景色を眺めているだけで、20分の短い船旅はあっという間に終了。
最後は帰りに立ち寄った川越。夕方のためか菓子屋横丁はほとんど店じまいしており、加えて時の鐘は工事中だった。一日中歩き続けた疲労困憊の足に休息の時。有終の美は飾れなかったが、いい気分転換ができた小旅行になった。都心から2時間で行ける緑の王国。まだまだ開拓できそう。