続いて見つけたのは春秋閣。極彩色の龍が口を開けて観光客をお出迎え。が、寂れた遊園地に来たような気分になりどうにも楽しめない。もし龍が実在したとしたらこのくらいの大きさだろうかと無駄な空想。そんなことをしていたら、アジア人のカップルに声を掛けられ写真を頼まれた。ひとり旅の宿命。
春秋閣から少し歩くと、2つ並んだ塔が見えた。その名は龍虎塔。中に入れそうだったが、面倒なので遠くから眺めるにとどめた。そして、そのまま湖沿いを進むとようやく湖の半分地点にたどり着いた。
ここは広場になっていて向かいにパン屋を見つけた。朝食のカロリーを全部消費するくらい歩いたのでここで食事。フランスパンにピザの具を詰め込んだようなパンと飲み物を選んでレジに持って行った。すぐに会計をしてもらえるかと思ったら、店員の10代後半と思しき女の子がおろおろして何もしてくれない。すると母親らしき女性店員が彼女に値段を教えていた。これですんなり会計に移ると思いきや、次に彼女は大きなパンを一番小さなビニールに入れようと四苦八苦し始めた。どう考えても入らない。絵に描いたようなドジっ子。
パン屋の前のベンチで食事休憩をしたら、蓮池潭の後半戦。疲れを感じ始めた僕の両足は徐々に重くなっていった。しばらく歩くと、またもや空から雨が降り始めた。小雨だが今回はすぐに止みそうな気配がない。僕はカメラをカバンにしまって、傘なしで駅へ戻ることを決意。そして、地元のおじさんと並ぶように駅まで小走りした。
薄っすら雨に濡れた僕は、左營駅の三越で時間を潰して高雄車駅へ。着いた頃には雨はもう止んでいた。軽く駅近辺を散策してホテルに帰ろうとすると、駅前で障害者への寄与を募っている人々が目に止まった。そして、その後ろからは金のネックレスをした高雄ギャングスタ。台湾にもコテコテのB-Boyがいるのだと目で追っていると、何と彼らは車椅子のおじいさんに寄付をし始めた。人は見た目で判断してはならない。B-Boyたる者、かくあるべし。
(続く)