今日から香港出張。成田空港にて用を足していると、後ろから規則的なため息が聞こえてきた。軽く振り返ると、モップを動かすたびにため息をつく初老の清掃員女性。彼女はモップをかけながら、僕の横へにじり寄ってきた。この時、突起物が便器に隠れていたから問題なかったものの、もし僕が飛距離を確認したいあまりに便器から大きく距離を取っていたら大問題になっていただろう。男子トイレには男性の清掃員をつけて欲しい。
香港は今週末から旧正月のため、街には赤いお飾りと獅子舞(獅頭と言うらしい)がいたるところに飾られている。中国式のお正月は日本と違って豪華絢爛。ちなみ今年は辰年。中国の龍は、神獣なのでありがたい生き物らしい。僕たちが子供の頃に寝食を忘れてテレビの中でやっつけていたのは西洋の龍、つまりドラゴン。こちらは悪者。ファミコンの電源を強制的に切る母親。これも悪者。
不気味な生き物を未知なる故に神聖として受け入れる中国と、未知なるものを害悪と見なし討伐の対象にする西欧とでは世界観が根本的に異なる。この思考方法の違いは如実に歴史に現れていると思う。恐らく人種によって脳の構造やら成分が違うのだろう。体の作りが違う以上、この推論には妥当性がある(はず)。アジアには今も儒教が根付いているが、アジアにたまたま儒教が生まれたのではなく、アジアだからこそ儒教のような思想が生まれたと考えるのが自然だと思う。
仕事終わりに、iPhoneの保護フィルムを換えてもらうために繁華街の旺角 [Mong Kok] ヘ行った。香港ではiPhoneの液晶保護フィルムをお店の人が換えてくれる。
とある携帯ケースを扱うお店で、保護フィルムの貼り替えをお願いした。店員の女性は僕を日本人と察して笑顔で「チョトマテ」と言った。笑顔と命令形のギャップ。日本人が言われると不快な言葉も、外国人に言われると許容できるのは何故か。