土曜日は、紅葉でも見ようと大阪は箕面公園まで。京都は観光客の占領下にあるとの噂で却下。電車に揺られて箕面駅で降りてみたら、観光地とは思えない閑散とした街並みが待っていた。大きな肩透かしを食らった僕は、生気のないもみじの天ぷら屋を横目に公園の方面へ。やがて鬱蒼とした木々に囲まれ、気がつけば辺りは人里離れた雰囲気になっていた。ここは公園というより山。
まずは地獄谷まで徒歩。ゆるい上り坂で軽い登山気分。が、着いた時には息を切らして全身汗だくになっていた。まさに地獄。
地獄谷から箕面滝まで再び徒歩。ようやくたどり着いて出合った滝は、思ったより小さく迫力不足。またもや肩透かしを食らったが、ともかく疲れを癒すためにしばし休憩。滝を見ながら食べる鮎の塩焼きともみじの天ぷらはおいしかった。もみじの天ぷらとは、要するに葉っぱが入ったかりんとう。
帰りは汗も引いて、寒々しながら戻った。紅葉の最盛期を逸していたのが残念だったが、こういう機会がないと一生来ない土地だろうから、これはこれで良かった。それにしても、寂れた店先で老夫婦がもみじの天ぷらを揚げている姿はもの悲しい。経済発展から取り残されたような隔絶感。古き良き日本という幻想。実は山を持つ大地主だったら完全に余計なお世話。