念仏寺を出た後は、一路東の大覚寺方面へ。右京区のこの辺りはのどかな田園風景が多い。歩き疲れて足は痛いものの、気分は落ち着く。点在する藁葺き屋根の家を見ていたら、もっとこのあたりを探りたくなった。しかし、もう日が傾き始めているので今回はやむなく断念。
大覚寺は人が多い上に拝観料もかかるから、入り口だけ見てさらに東の広沢池へ。敢えて有名どころを飛ばす勇気。広沢池は池というより湖に近い広さ。どうやら「ため池百選」に選ばれた池らしい。ぎりぎり選ばれなかった101番目のため池を見てみたい。
嵐山の北側を1周して、ようやく嵯峨嵐山駅に戻ってきた。次は渡月橋と亀山公園を見たいので南口へ。南口は人が多く、いかにも観光地といった雰囲気。
中村屋というお店のコロッケを頬張りながら、賑やかな通りを散策。途中で見かけた嵐電嵐山駅は、駅とは思えない華やかさだった。コロッケに続き、ここでおいしそうな焼き芋を購入。炭水化物地獄。僕はダイエットの向こう側に向かっている。
しばらく歩くと渡月橋が見えた。川には鴨と貸しボートに乗った人間が無数に浮かんでいた。この辺りは紅葉の時期ともなればさぞ壮観だろう。鴨がかわいいので川べりでしばらく鑑賞。鴨は見てよし食べてよし。生きるとはなんと残酷なのか。
川沿いに歩いて亀山公園。亀山公園と言えば、若かりし周恩来が残した詩碑がある。周恩来は現代中国における最も重要な政治家。革命の風が吹きすさぶ中、毛沢東を立てながらよく自分の地位を維持しつつ内外を切り盛りしたと思う。忍耐という言葉は彼にこそ相応しい。密かに尊敬している人物。
亀山公園からトロッコ電車に乗って戻ろうとしたら電車は満員。仕方なくすっかり暗くなった道を戻ってJRの嵯峨嵐山駅まで。旅の帰りはどっと疲れがのしかかる。「家に帰るまでが遠足」という言葉には、きっと最後まで諦めるなというメッセージが隠されている。