蒸し暑い香港の夜


諸々のしがらみを振り切って、昨日から 香港 へ出張へ来た。機内食は相変わらずの低品質。
惰性で口を動かしながら窓の外を眺めると、雲が絨毯のように隙間無く広がっていた。綿菓子みたいな雲はきっと食べられると思っていた幼い頃。そんな純真無垢な僕はどこへ行ってしまったのか。
そんな感傷を抱えながら夜10時半に香港国際空港に到着。トイレに行ったら白人の子供が下半身丸裸で用を足しており、僕は大人らしくチャックだけ下げて済ませた。蒸し暑い香港の夜のどうでもいい出来事。
鑽石山から汗だく通勤


職場へは 鑽石山駅(Diamond Hill)から歩いて約10分。近いはずなのに、この距離が地獄のランウェイになる。
何故ならもうすぐ9月だというのに、うんざりするような暑さ。会社に着くころにはTシャツの色が汗で変わっている。
これだけ暑いと、上半身裸のおじさんが駅前で突っ立っているのも無理はない。
看板なしの絶品ランチ

お昼は職場の近くにあるローカルレストランへ。看板が出ていないから店名はさっぱり不明。隠れ家と言いたいところだが、単にアピールする気がない。
メニューの写真は漢字がびっしりで謎解き状態。香港人の同僚に聞いたら、ジャンルとしては 叉焼飯(チャーシューご飯)というらしい。甘辛いタレをまとった肉の味付けが絶妙で、これなら毎日でも食べられる。
旺角で火鍋ナイト







仕事終わりは食事を兼ねて 旺角(Mong Kok) へ。ネオンの海みたいな看板と、人の波に飲み込まれそうな活気には、来るたびに圧倒される。
夕飯は香港式の火鍋を囲んだ。左は唐辛子とにんにくがガツンと効いたスープ、右は香草とピータン入りのチキンスープという二刀流。そこへ羊やら牛やら豚やらなんでもかんでも投入するのが香港流(らしい)。
胃が破裂するほど肉を食べた後は、まさかの出前一丁で締め。香港でこの袋麺が定番になっているのが不思議で仕方ない。
亀ゼリーに踊らされる夜


食後は 満記甜品(Honeymoon Dessert) へ移動。香港では有名なデザートショップらしい。ちょっと割高感はあるものの、味は保証付きだ。
写真の黒いゼリーはコーヒーかと思いきや正体は 薬膳スイーツ常連の 亀ゼリー。ほんのり苦みがある亀ゼリーにマンゴーの甘みが加わった味わいに完全にノックアウトされた。あまりのおいしさに、デザートを司る神様に向かって本能のおもむくままに創作ダンスをしたくなる気分。
香港に咲くジャパンカルチャー

帰りに乗ったタクシーのダッシュボードには、なぜかガンダムとべジータのフィギュアが飾られていた。きっと運転手の趣味だと思うが、妙にシュールで微笑ましい。
ふと街を見渡せば、香港では無印や吉野家、モスバーガーまで大盛況だ。窓の外に流れるセブンイレブンを眺めながら、日本のカルチャーがここ香港でしっかり根を張っていることを嬉しく思う香港最終日。