台北 / Taipei Part.2-1 (市内観光)

悪夢の団体観光

大龍峒保安宮 [by iPhone4]

台北2日目は、悪夢の集団ツアー観光に巻き込まれた。夏休みと震災募金が重なり、ツアープラン以外でチケットが取れなかったのだ。

バスの中では、iPhone片手にひたすらWi-Fiを探す。どうにか一度だけ繋がり、行ったこともない新喜公園にチェックインした。もはや旅の記録というより電波の記録。やるせない。

最初の訪問先は 大龍峒保安宮孔子廟。大龍峒保安宮は、医薬と健康の神である保生大帝を祀る、台北を代表する格式高い道教寺院だ。細部まで丁寧に仕上げられた建物は、壮麗さの中に温かみがあり、壁画の色彩にも味があった。

ちなみに周りを見ると地元の人がひっきりなしにお参りに来ていた。そんな中でカメラを構える僕たちの存在はさぞ迷惑だったろう。

ガイドが語る中正紀念堂

中正紀念堂 [by iPhone4]
廊下 [by iPhone4]

次に向かったのは 中正紀念堂。台湾では悪名高い蒋介石を称える建物だ。かつて彼は中国本土から逃れて台湾に渡り、戒厳令のもとで反対派を弾圧し、多くの人々を投獄・処刑した

案内役の女性ガイドは、最初こそ蒋介石について口を濁していたものの、そのうち聞いてもいないのに 中国への激しい非難を連発し始めた。対中感情の悪さは、この辺の歴史に深く根ざしているのだろう。

円卓の距離感

円卓 [by iPhone4]

市内観光は続く。中正紀念堂の後はツアー客全員で地下のレストランへ向かった。

階段を下りる直前、一緒のツアー客の中年男性が盛大に転倒し、店の看板を叩き割った。店員も僕たちも一瞬フリーズ。が、幸い怪我は無かったようで胸をなで下ろした。

店内では3つのテーブルに分かれ、僕は友人と隣同士に座った。互いに牽制し合う空気の中で円卓をそっと回す感じが気まずいことこの上ない。

結論、日本人に円卓の食事スタイルは向かない

友好だけではない日台関係

忠烈祠の入り口 [by iPhone4]
忠烈祠 [by iPhone4]

食後は、台湾の靖国神社とされる 忠烈祠 を訪れた。抗日闘争で命を落とした人々も祀られており、友好の一言では片付けられない歴史がそこにあった

午後になると日差しが一段と強まる。アスファルトが光を弾くせいで空気そのものも熱くなり、容赦なく体力が奪われていく。南の国で太陽と友達になるのは、やはり難しい。

講義で終わる足ツボ体験

鹿 [by iphone4]

最後に訪れたのは足ツボマッサージのお店。有料オプションを選ばないと何故か足ツボ講義を受けさせられる地獄のシステムになっていた

白けきった室内で先生の淡々とした声だけが響く。ある意味、精神的なツボを押されているとも言えるが、こんなことなら有料のマッサージを選べばよかったと後悔。

どうでもいいが、鹿の角は精力増進に効果アリ という知識だけは身についた。

ツアーからの解放、早速の怪しい勧誘

中山駅近くの通り [by iPhone4]

鎖に繋がれたような集団ツアーを終え、解放感を全身で感じながら中山駅へ。通りには古めかしい建物や漢字ずくめの看板が並び、どこか懐かしくも異国情緒が漂っていた。

本当はこういう街を、もっと自分の足でゆっくり歩きたかった──そう思った矢先、爽やかな格好の男性が流暢な日本語で声をかけてきた。

日本の方ですか?遊びはどうですか?

怪しいのでもちろん断ったが、もしその「遊び」がUNOだったら付き合ってもよかったかもしれない。

(続く)

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