北海道 / Hokkaido Part.4 (札幌)

都会のざわめきが恋しくて

案内柱 [by ViViCam5050]

やっと辿り着いた最終目的地、札幌。駅前に出た瞬間、目に飛び込んできたのはビルの群れと人の波。空の広さよりも整然としたビルの群れにホッとする自分がいる。

長万部の静けさも悪くなかったが、やっぱり僕にはこの人工的な喧騒が心地いいBGMらしい。旅の終わりにして、ようやく日常へ戻ってきた気がした。

札幌時計台、期待とのズレ

時計台 [by ViViCam5050]

札幌は格子状になっていて道が分かりやすい。ホテルに行く前に、僕は時計台を目指すことにした。時計台は北海道によくある西洋式の建築物。実際に見ると何が魅力なのかいまひとつ理解できない。

札幌の街は碁盤の目のように整っていて、方向音痴の僕でも迷わない。ホテルに行く前に、観光の定番である 時計台 を見に行くことにした。

白い外壁に赤い屋根、まるで絵本から抜け出したような建物。だが正直、実際に見ると何が魅力なのかいまひとつ理解できない。

大通公園でひとり読書

大通公園 [by ViViCam5050]
大通公園の噴水 [by ViViCam5050]

時計台を通り過ぎて南へ歩くと、細長い公園が姿を現した。その名も 大通公園。正直、もう少しひねりのある名前でもよかった気がする。

それでもここは、緑と噴水の調和が絶妙で心地よい。ベンチに腰を下ろして一服しながら、意味もなく本を開いた。が、シャツ1枚では寒すぎて5分も読めない。

やきそば弁当の哲学

通り [by ViViCam5050]

宿泊先は安定のアパホテル。清潔で便利だが、相変わらず部屋は ミニマリズムの極致 だ。そんな空間でコンビニで買った北海道名物の「やきそば弁当」を開封。

この焼きそばの特徴は、麺を戻したお湯を捨てずに スープに再利用すること。合理的ではあるが、湯気の向こうに漂うのはエコよりも侘しさ。旅の終わりにして、妙に人生を考えさせる一杯だった。

すすきの、真昼の孤独劇場

北海道庁 [by ViViCam5050]
JRタワー [by ViViCam5050]
すすきのの風俗ビル [by ViViCam5050]

流浪の北海道旅もいよいよ最終日。札幌の街をあてもなく歩き、最後の風を感じていた。行き着いたのは、大人の歓楽街 すすきの。昼間でもどこか妖しい熱気が漂っている。

その時、目に入ったのは 真昼間からソープへ消えていく初老の男性。もちろん、仕事でも観光でもないだろう。華やかな街の片隅で、人生の寂しさが滲む。

北の大地、また会う日まで

中島公園 [by ViViCam5050]
新さっぽろ駅前 [by ViViCam5050]
狸小路 [by ViViCam5050]
狸小路の恥からテレビ塔 [by ViViCam5050]
二条市場 [by ViViCam5050]
テレビ塔を真下から [by ViViCam5050]
快速エアポートからの夕日 [by ViViCam5050]
窓からの夕日 [by ViViCam5050]

こうして歩けるだけ歩いて、北海道ひとり旅は幕を閉じた。振り返れば、涼しい風と海の幸の豊かさに何度も心を掴まれた数日間だった。

曇った空も多かったが、それもまた北海道らしい。中途半端な天気さえ愛おしく思えるほど、旅の充実度は満点。

いつか本当に、ここに住むのも悪くない──そんな予感を残して、僕は再び日常へと帰っていった。

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