北京旅行ですっかり味をしめて、今日から北海道ひとり旅。僕を北の大地まで運んでくれる飛行機はAirDo。乗務員が丹念に避難方法を説明するので、落ちやすいのかと逆に不安になる。
生まれて初めての函館は、気温も湿度も東京より断然低くて快適。暑さが嫌いな僕にとって、北海道という選択は正しかった。ただし、先が見えない曇天模様でカメラ的にはアウト。
空港から車両に頼らず無目的に歩いていると、近くに修道院があることが分かった。その名をトラピスト修道院。函館駅と逆方面のため無駄に多く歩くことになるが、時間はたっぷりある。
肌寒さを感じながらしばらく歩いてその修道院に到着。閑散としている光景を想像していたが、そこには中国人観光客が群れをなしていた。特に興味を惹かれない教会を一通り見て時計を確認したらまだ10時前。来た道を戻ると、ミミズがいたるところで干からびて死んでいた。
教会の次は、湯の川を目指してひたすら徒歩。閑散とした平日の街には、貸し店舗の文字が目立っていた。肌で感じる不景気。歩くにつれ睡眠不足による疲労が顕著になってきたので、一旦近くの温泉で一服することに決めた。温泉の設備は最小限だったが、400円と安価なので文句なし。入浴後、ひとりしかいない休憩室の隅でマッサージ機を動かした。体がもぞもぞしてもひとり。
次は路面電車に乗って五稜郭へ向かうことにした。五稜郭タワーに上ってガラス越しに五稜郭を見下ろすと、緑の巨大な星型が見える。ここで僕は、五稜郭は手前の島を含めると六角形になるという歴史に埋もれた真実を発見してしまった。
疲れを押し切り、気合で函館山へ。坂道が多く、途中何度も心が折れかかった。受付で「景色が（天候のため）きれいに見れませんがよろしいですか？」と言われた通り、函館山の頂上から見える函館は曇っていた。ちなみに移動のゴンドラ内は、行きも帰りも案内のお姉さんと二人きりで、気まずいことこの上なし。観光客が少な過ぎる。
函館駅に戻り、夕方5時頃ホテルに到着。お世辞にもきれいなホテルとは言えないが、3,000円台という破格の安さ。着いてすぐ貸切風呂を申し込むと、お風呂の時間割表はまっさら。ここも人が少ない。風呂ですっきりした後は、隣の店でいくら丼とホタテ刺しを食べた。やはり海の幸は東京とは鮮度が断然違う。