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初めてのひとり旅は北京
突然だが、有給を使って北京旅行を決行することにした。陳舜臣の著書を読み尽くすほどの中国好きな僕にとって、北京はまさに知的ロマンの聖地だ。
とはいえ、海外ひとり旅は今回が初めて。しかも中国語はまったく話せないという不安材料つき。
だが、身ぶり手ぶりと少しのお金があればどうにかなるだろう。世の中は基本的に、最初の一歩くらいは甘い。
夜の都会デビュー




北京に到着したのは、まさかの3時間遅れで午後7時半。幸いにもまだ日は暮れておらず、まず驚かされたのは北京首都国際空港の大きさだった。スケールが違う。
ホテルにチェックインした時にはすっかり夜になっていた。少し不安を感じつつも、好奇心に背中を押されて街へと繰り出すことにした。
北京の道は驚くほど広く、両脇には整然と並ぶ高層ビル。想像していたよりずっと洗練された都会の光景が広がっていて、思わず足取りが軽くなった。
北京の夜に生まれた似非紳士
まっすぐ歩いていると、右手にコンビニを発見。ひとりで気軽に入れそうな飲食店が見当たらなかったので、ここで食料を調達することにした。
レジにいたのは中学生くらいの女の子で、たぶんオーナーの娘だろう。会計は31元(≒450円)だったので50元を渡すと、なぜか多めの25元が返ってきた。どうやら計算ミスのようだが、言葉が通じないので返金は断念。
ちなみに、ビニール袋をジェスチャーで求めたところ、追加で0.2元を請求された。ここはせめてもの誠意として、1元を渡して釣りはもらわずにその場を立ち去った。心優しき似非紳士、北京の夜に静かに誕生。